当社の「セールスプレゼンテーション研修」は、「売る」ためのプレゼンテーションを習得いただく研修です。今回は、当研修の一部である、「プレゼンテーションペーパー(提案書)」の書き方をご紹介いたします。
■プレゼンテーションペーパーのポイント
(1)論旨は単純明快。他社との差別化が行われている
第一に、先方に気にいっていただくためには、先方の問題意識にあう形で、論旨は単純明快にし、そして、他社との違いを強調できる提案であることが最低条件です。
(2)プレゼンはA4一枚に3分間
また、提案の狙いとその骨子を、「3分間」でプレゼンし、相手を納得させるものでないと駄目です。本当はA4用紙1枚の要約版と、興味があったらご覧いただく詳細版という構成がベストです。
なぜかというと、先方は、提案した企画を稟議にかける場合、その企画の趣旨を要約してまとめる作業を行うはずですので、「中味が魅力的でかつ要約作業を省略できる」ペーパーが欲しいなと思うはずです。本当の目利きは、分厚いペーパーに価値を置きません。
(3)インプットは帰納的に、アウトプットは演繹的に
第三に、プレゼンペーパーのためのインプット作業をそのまま記述してはいけません。こちら側の努力など誰も欲しがりません。インプットは帰納的に、アウトプットは演繹的にしましょう。アウトプットされたプレゼンペーパーは、相手の問題意識に合わせ、インプット作業したものを編集・構成し直したものでないと役に立ちません。
(4)問題点は徹底的に絞込む。ただし、説明する具体例は豊富に
第四に、何が問題点なのかを鮮明にするために必要な情報を多く集め、本当に必要なもの以外を捨て去った後、残った課題を3つほど提示できるかが重要です。それと全く逆のように見えますが、豊富な実例・具体例があるのかも重要です。
■顧客のココロに"響く"セールスプレゼンテーションを行うために
(1)シンプルに作る
プレゼンは「紙を作る」事が主目的ではなく、最小のコストで 「モノを売る」ことです。 よって、プレゼンテーションペーパーは以下の事を心がけましょう。
ア.枚数はできるだけ少なく
~多ければ、作るのにも説明するにも時間がかかる。A41枚がベスト
イ.過剰な飾りはいらない
~必要以上に細かすぎる資料は不要
ウ.メッセージは「単純」かつ「明確」に
~顧客がすぐに理解できるように、メッセージは単純かつ明確に
(2)プレゼンテーションペーパーは「誰のためのものか?」
肝心なのは誰が見るかです。見る人が違えば、当然、求められている内容が異なります。大企業の社長向けなのか?部長向けなのか?係長なのか?についてまず、明確に認識すべきです。
たとえば、60代の社長向けでは、内容もさることながら、文字が小さすぎれば、絶対に読んでもらえません。また、細かい実務上の話がくどくどと書いてあっても、興味を持ってもらえません。さらに、係長向けのものであれば、抽象的な事ばかりでは具体的に手を出せないので、これも不可です。
(3)秘策:セールス先の稟議(報告)形式にあわせる
これは、ほとんどどやっている人を見たことがありませんが、企画を通す秘策があります。特に、相手が大企業の場合、有効な手法です。それは、相手の社内稟議書の形式を真似るのです。
だいたい、各企業では、一定の論理立てで説明する事になっていると思います。
それを、セールスをする我々が同じ形式でメリットなどを整理すれば、先方は稟議を書く手間が格段に少なくなります。よって、採用の可能性が大きくなります。
たとえば、人材派遣大手のA社では全ての報告はA4縦1枚。また、メガバンクB銀行のであればB4横1枚に入る内容で収益効果を重視しているなど・・・。パワーポイントA4横型のペーパーばかりの中でこんな風にまとめれば、インパクトがあり一歩リードです。