先週に引き続き、「一流ビジネスパーソンの仕事術」というテーマでインタビューをお届けいたします。今回インタビューいたしましたのは・・・
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【今回インタビューしたビジネスパーソン】
◇K氏◇
現在、大手IT企業監査役。銀行でたくさんの勘定系システムを
設計・開発。その後、支店長となり営業を指揮し、卓越した数字を残す。
スーパーSEであり、かつスーパー営業マンというまれな存在。
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深いビジネスのお話となっていますので、ご期待ください。
◇質問者、◆K氏
■上司と部下では視点が違う
◇上司と部下との関係で、何かございますか。
◆たとえば、部下が企画書を持っていくと、上司は変な注文をつけるということで、怒る部下がいます。ただ、上司と部下では仕事に対して重視するポイントが違います。
◆部下は企画の内容に、論理矛盾がないかとか、法律上の問題も含め、ディテールを把握していますが、上司は詳細な内容を知らないこともあります。上司も部下の資料を読んで勉強し、違う角度の視点をつくっています。ですので、上司が変なことを言っても、部下は、喧嘩するのではなく、その辺のことを考慮してあげないといけない。
◆また、部下は細部にこだわりますが、上司は、どちらかというと、「これをやって何を狙うのか」ということを全社的な視点で考えている。そもそも、重要視する点が違います。
◆また、持っている情報も異なります。例えば、業界の動向とか、社長の意向とか。それらの情報をもとに、上司は部下よりも広い視野でものごとを考えています。なので、意見の相違が起こりやすい。上司とのギャップに腹を立てるよりも、このような違いを、部下は理解しておかなければいけないと思います。
■課題設定が、仕事に深みを生み出す
◇仕事が出来ない人をみていると、浅いところで詰まってしまい、指示されないとその後が続かないという、深みがない人が増えています。こういう人にはどうしたら良いんでしょうか。
◆それは、上司の課題の設定が悪いんでしょうね。部下に何を要求しているのかが伝わっていないのです。課題を解決する手段やプランニングまで、逐一、指示したら部下はその通りやるしかないので、行き詰ることはありません。しかし、それでは部下は成長しませんし、上司の発想以上のものはできませんが。
◆ 「上司の言うことは良く聞いて、あまり聞くな」と良く言いますね。上司はゴールについては確かなことを言っているけれど、手段については思いつきで言っている場合が多いものです。ですので、上司が思いついた手段については壊してしまって良いんです。
■上司は報告がないと嫌なもの
◆古い言葉かもしれませんが、「報連相」は大事です。
上司は報告がないと嫌なものです。
上司は部下のする仕事を心配しているので、やたら「報告をして来い」と
いいます。
◇遠慮されたら余計困りますね。
◆部下の仕事を把握するために、独自の付箋を作った上司もいたそうですよ。
控えがとれるようになっている付箋で指示を渡して、
それを自分のデスクにたくさん貼り付けて仕事を管理したそうです。