プレゼンは「業務知識+一般常識+伝える技法」であり、「相手に
話を理解させ、賛同を得る事」が目的です。そのポイントを知り、
経験を重ねることで成果を上げやすいスキルです。
「成功する自治体職場のプレゼン」3回目では、ケース2「残業時間
削減に関する緊急庁内会議」についてお届けいたします。
どうぞ最後までお楽しみ下さい。
◇今回のケーススタディ
───「ケース2:残業時間削減に関する緊急庁内会議」───┓
残業削減に関する各課課長会議を開催する事になりました。
職員課担当者として、Bさんは1時間の会議冒頭に趣旨説明を
行うことになりました。
現状では残業時間が増加傾向にあり、予算及び労働環境上、
あまり良くない状況です。今回、特に残業の多い課に対して、
是正を求めたいと考えています。しかし、参加いただいている方は、
自分より偉い方々ばかりです。
だんだん頭が真っ白になってきたBさん・・・。さて、どうすれば、
良いでしょうか? 基本は住民向け説明会と同じですが、
庁内説明である事を踏まえて、特に注意すべき点を記します。
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まずは、事前準備をしっかり実施することが大切です。
■現場の実態調査を行い、当方の論理を固めること
「本当に残業が多いのか?」自分の目で見て、話を聞いて、
事前に調査すべきです。「特殊な要因はないのか?」等も含めて、
まずは事実をつかんでおくのは絶対条件です。
また、自らの「業務知識」を駆使して、説明する内容について、
「背景」、「関連知識」、「法規」などについて、事前に徹底的に
調べ上げておくべきです。
「とにかく、残業増加は悪い事です」と言っても聞いてくれません。
調べ上げた自信が、堂々とした話し方につながります。
■事前説明を活用する事
加えて、キーパーソンに対する事前説明、いわゆる根回しを
行うことも重要です。悪名高き「根回し」ですが、古今東西、
事前の説明なしで成功した大きなプレゼンは「まれ」です。
特に、相手にとって、驚きを与える様な内容であれば、事前に
説明しておくのは当然です。なぜなら、「驚き」は「内容の吟味」
を超えて、「反発」につながります。
どんな画期的な話でも、混乱すれば、みなさんの賛同は
得られません。聴衆が賛同しやすい環境を慎重に作るのが
「事前説明(根回し)」です。
■人柄の準備
今回のように自分の属する組織でのプレゼンでは、日頃の仕事に
対する姿勢が「真剣」「まじめ」であれば、加点評価されます。
評価が高ければ、「下手」なプレゼンであっても、好意的に
受け取られるものです。
逆説的ですが、プレゼン前の日常、懸命に仕事をするのが
プレゼン成功の鍵です。
☆次回につづく
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方