プレゼンは「業務知識+一般常識+伝える技法」であり、「相手に話を
理解させ、賛同を得る事」が目的です。そのポイントを知り、経験を重ねる
ことで成果を上げやすいスキルです。
◇今回のケーススタディ
───「ケース2:残業時間削減に関する緊急庁内会議」───┓
残業削減に関する各課課長会議を開催する事になりました。
職員課担当者として、Bさんは1時間の会議冒頭に趣旨説明を
行う事になりました。
現状では残業時間が増加傾向にあり、予算及び労働環境上、
あまり良くない状況です。今回、特に残業の多い課に対して、
是正を求めたいと考えています。しかし、参加いただいている方は、
自分より偉い方々ばかりです。
だんだん頭が真っ白になってきたBさん・・・。さて、どうすれば、
良いでしょうか? 基本は住民向け説明会と同じですが、
庁内説明である事を踏まえて、特に注意すべき点を記します。
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前回は、「事前準備をしっかり実施する」ということをお伝えしました。
具体的には以下の通りです。
(1)現場の実態調査を行い、当方の論理を固めること
(2)事前説明を活用する事
(3)人柄の準備
では、その続きを見ていきましょう。
■「背景・ねらい」と「具体的なメリット」をきちんと伝える
住民説明会と同様に、本件も「メリット、理由」を認識していただくことに
つきます。ただし、全てメリットのある話ばかりではないのが実情です。
その際には、「なぜ、これをやらなければならないか」を明確に説明
すべきです。法律の趣旨、財政問題等を具体的に説明する必要が
あります。
「今年度の政策目標である人件費10%減をこのままでは達成できない。
議会が大荒れになる事は必至です」などと、具体的に説明すべきです。
■短時間で話すこと ~制限時間を守って説明すること
幹部職員はとにかく忙しいものです。このため、会議では短時間での
的確な説明が求められます。今回のような1時間の会議での趣旨説明
であれば、10分程度で説明すべきです。
とかく自分の専門分野の話は、言いたいことが多く、長くなりがちですが、
重要なポイントに絞り、話します。前述の通り、資料の4分の1程度を
読んで説明することで十分伝わります。
極端ですが、さまざまな事柄を150字程度、約1分間で要約説明する
訓練はプレゼン能力の強化に役立ちます。これは、上司への報告訓練
としても有効です。
■最後には練習回数です!最低5回、10回練習すれば上手に話せます
いろいろなテクニックのお話をして参りましたが、やはり、プレゼンは
「練習」です。時間を計り、ビデオで自分の姿を見て、最低5回、可能で
あれば10回、声に出して、本番さながらに話してみれば、誰でも上手に
話す事ができるようになります。
今回で、「実践事例で学ぶ・成功する自治体職場のプレゼン」は最後
となります。皆様の今後のご健闘をお祈りいたします。
☆来週は「事業継続計画(BCP)の作り方」についてお伝えします!
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方