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公平で納得のいく早期選抜制度の実現

公平で納得のいく早期選抜制度の実現


環境変化が激しい今日、組織の方向性を示し、先頭に立って組織を導く変革型リーダーの育成が必要とされています。そんな中、リーダー候補には、新規事業の立ち上げから、海外赴任、国内外留学などの機会を与え、帝王学を学ばそうという早期選抜制度が注目を集めています。

今週は早期選抜制度を導入するにあたっての注意点について、さらに詳しく考えていきます。


■納得性と公平性

人事制度で求められるのは「納得性」「公平性」です。早期選抜制度も、これらの要件を満たす必要があります。

創業者一族のように血縁関係が絡むケースを除くと、「あの人が選ばれるのはもっともだ」と皆を納得させるものは実績です。そのためには、選抜時点までに相応の実績をあげていることが選抜の要件となり、実績をあげるためには機会が与えられなければなりません。しかも機会は公平に与えられなければなりません。大切なのは「実績による納得性」と「機会の公平性」です。

ところが最近の状況をみると、公正な機会の提供に関して問題があります。それは新卒採用の抑制です。「失われた20年」ともいわれるように、1990年代のバブル崩壊、2000年代のリーマンショックなどで、日本経済は長期間低迷しています。その間、企業は新卒採用を抑制しているために、部署によっては後輩が何年も入ってこないということが起こっています。以前なら新入社員がやっていた仕事を入社以来何年もやっている、後輩を育てるというリーダーシップ発揮の場がないという状況になっています。その結果、配属された部署によっては、相応の実績につながる機会さえ与えられないということになってしまいます。

そのような中、商社で20代の若手全員を海外赴任させるという人事プログラムを組んでいるのも、機会の公平性という点で有効なものと考えられます。もちろん、公平に与えられた機会をものにするかは、本人次第であることはいうまでもありません。


■敗者復活のチャンスを

選抜対象から漏れた人、あるいは選抜されたもののその後のふるいで落とされた人にも十分な配慮が必要です。リーダー一人だけでは何もできません。選抜から漏れた人たちがいないと、組織の変革や運営はできません。現場で実行するのはそういう人たちだからです。したがって、選抜から漏れたとしても、それがその人のキャリアの終点とならないようにしなければなりません。その後に実績をあげれば道は開ける人事制度は残していなければなりません。


■周到な準備の上での導入を

早期選抜制度を導入するには、選抜時点よりも前の段階で機会が公平に提供されることが担保されていなければなりません。それがないと早期選抜制度は不満や妬みの対象となってしまいます。このように早期選抜制度は前準備に時間がかかる制度なのです。そのためにも、周到な準備のもと導入に踏み切るべきで、拙速な導入は厳に慎むべきです。

☆次週もお楽しみに!

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