「トップセールスパーソンの交渉術」(1)
■セールス交渉に「勝ち」「負け」はない。
セールスにおける交渉は、結果がハッピーエンドにならなければいけません。ハッピーとは「売れる」か「損をしない」かです。つまり、経済的利益が伴うのが普通ですし、その多寡が勝負になってきます。「あらゆる手段を使って、激しい交渉をし、お客様の弱いところを突いて、勝った!」これは、短期的な利益にはなりますが、将来的な利益は求められない可能性が高い交渉です。
セールスパーソンの交渉における大前提は、お客様に嫌われてしまっては負けであるという事です。明確に1つ1つの商談で言い負かしてはいけないのです。本当の「勝ち」は、末永く、お客様が自社の商品を買い続けていただける事です。
■セールスパーソンの交渉は「にこやか」に
セールスでは顧客に嫌われたら終わりです。そこがディベートとの大きな違いです。ですから、「セールス交渉のプロ」というのは基本的に穏やかに笑ってるものです。激しい議論というのは、交渉においてはマイナスです。これは全世界共通だと思います。出来るセールスパーソンほどいい笑顔で笑います。ビジネスにおける交渉はにこやかに行うものです。
■上手なセールス交渉とは?
みなさんは、上手なセールスには、どんな能力が必要だと思いますか。あるいは、逆に交渉が下手な人ってどんな人だと思いますか?話上手がセールス上手だと思いますか?一般的に口下手な人は、「話がうまければ売れる」と思ってることが多いものです。しかし、実際は口下手なトップセールスが非常に多いのも厳然たる事実です。場合によっては、セールスでほとんどしゃべらなくてもいいのです。
■セールスで大切なのは「考える」こと
おれは話すのが得意だとか、ディベート大会で一番になったっていう人が実社会ではセールス交渉が下手だったりするんですよね。セールス交渉で一番必要なのは「考える」ことです。ある課題についてものすごく考え、交渉のシナリオを事前に組み立てておくと、ほとんどの交渉は割合上手く出来ます。
■商談のシミュレーションを「がっつり」やる
商談の場面を思い浮かべてください。今から自分の商品をセールスに行くとした場合、相手とどういう風に交渉し、どこに金額の落とし所をつけて売ろうか、なんて毎回考えていると思います。そうです。シミュレーションを徹底的に実施していけば、商談は上手になっていくと思います。
■商談の3類型
商談には3つの類型があります。「功利的説得」、「規律的説得」、「情緒的説得」です。まず、「功利的説得」というのは「こうしたら儲かります」といった相手の損得に対して働きかけるものです。「規律的説得」は、相手の規範意識に対して働きかけるものです。例えば「これは世の中の決まりです」といったものです。最後に「情緒的説得」というのは 、相手の感情に訴えかけるものです。実際のセールスの場面ではこの3つを浅く、深く、織り交ぜながら商談を進めています。
商談が不得意な方で特徴的なのは、この3つの類型を使いこなしていない方が実に多いことです。「お願いします(情緒的説得)」だけだったり、一方的で浅い「お得訴求(功利的説得)」だったりして、セールス交渉が上手に進まないのです。
次回は、この3つの説得方法を具体的にみていきます。
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営業力強化研修◇◇
~テレアポ・セールストークから営業管理まで"計34タイトル"~
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