【「営業マンにとってのクレーム」(第1回/計3回)】
「営業マンにとってのクレーム」(第1回/計3回) 【第31回】
■営業マンにとってのクレーム
さて、本日からしばらく「営業マンにとってのクレーム」
についてお届けします。
私はクレーム対応の研修を多数実施しており、
また、本も書いておりますので、
クレーム対応については、言いたいことがたくさんあります。
ですが、今回は分量の関係もあり、
営業担当者のクレーム対応ポイントを手短に書きます。
(詳しくは拙著をご参照下さい。)
私は、クレーム対応が上手な営業マンには共通した点が
6つあることに気がつきました。
それは、
1.「お詫びを通じて、お客さまの気持ちを静めるのが上手」
2.「お客さまのクレームを聞くのを通じて、上手に情報収集をしている」
3.「お怒りを受けながらも、お客さまに自社の立場を上手に伝えている」
4.「クレーム情報の社内連携が上手にできる」
5.「解決するにも社内メンバーの活用が巧みである」
6.「とにかく、動きは迅速」
この6点を踏まえて、行動しているようです。
第一回の今回は、上記1点目の
「お詫びを通じて、お客さまの気持ちを静めるのが上手」
というテーマについてお話します。
どうぞ最後までお楽しみ下さい。
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《今回の内容》
1.「お詫びを通じて、お客さまの気持ちを静めるのが上手」
お客さまが困っている事実に対して、その心情を理解し、
「お詫び」をすることがまず、営業担当者には求められます。
営業担当者はお客さまと通常でも「気持ち」で繋がる事が求められます。
顧客の気持ちに入り込み、自社・製品のアピールを効果的にする。
これが営業マンの仕事です。
これと同様の事を「困っている」顧客に対して、行うのです。
自分が何か不快な思いをした時のことを思い出してください。
まず、どちらに非があるかにかかわらず、
「誠にすいません」と深々と頭を下げられたりすれば
悪い気はしなかったと思います。
顧客のクレームはまず、この「お詫び」でクールダウンしてもらう。
これが解決を早める最適な手段となります。
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●営業マンの「お詫び」は社長への手紙や裁判沙汰を減少させる
営業にとって嫌なクレームとしては、「社長への手紙」があります。
「社長への手紙」というのは、現場営業マンを飛ばして、
社長や上司に直接やってくる重いクレームのことです。
自分の今までの社内での実績、営業成果が
台無しになってしまう瞬間です。
まさに不幸な事態です。
これは、ある企業で実際にあった話ですが、
「お詫びをきちんとする」ことを営業部門で決めて、
全員に徹底させた後は、「社長への手紙」といった重いクレームが、
それ以前の10分の1に減ったというケースもありました。
もちろん「お詫び」だけで生じた結果ではないと思いますが、
誠意の感じられる「お詫び」の効果も少なからず
貢献した結果だと思います。
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●本当に「お詫び」は裁判上で不利か?
万一、裁判を起こされた場合はどうでしょうか?冷静に考えてください。
裁判の場合は、クレームを申し立てた側に
具体的な損害の事実がなければ、
負けることはありません。クレーム対応の現場では、「お詫び」の後、
事実を冷静に確認していけばよいのです。
「裁判に負けるから」という心配は杞憂です。ご心配なく。
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●毎日1分でできる「お詫び」練習
誠意のこもった「お詫び」を言えるようになるためには、
声に出して「お詫び」をする練習を繰り返し、繰り返し、
実施するのが一番の早道です。
「せっかく当社の製品をお使いいただきながら、
誠に残念です」
時に「お詫び」が「美しい」営業担当者がいます。
ハンサムでなくても、美人でなくても、
格好良く、ほれぼれとしてしまいます。
TVやCMでも、中井喜一や佐藤浩市などの俳優が
お詫びしている姿が見られますが、
なかなかカッコいいものです。営業として、
熟練を表すのがお詫びの瞬間です。
言い慣れる練習もしておきましょう。
(つづく)
次回は、「お客さまのクレームを聞くのを通じて、
上手に情報収集をしている」
についてお届けいたします。ご期待ください。
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