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◆北澤孝太郎氏◆
ソフトバンクテレコム株式会社・執行役員 音声事業本部長。多数の実績・経験を踏まえ、独自の営業哲学をお持ちのスーパーセールスマン。
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◇QUESTION◇ 「女性は営業職に不利?」
ある雑誌で、「日本の女性営業職は女性というだけで、話をまともに聞いてもらえなかったり、大切な契約を結ばせてもらえないことがある」という記事を読んだことがあります。本当にそのようなことはあるのでしょうか。
北沢さんはそのような営業における"男性優位"な文化を感じられたことはありますか?
また、女性の部下、同僚がそのようなことに直面したとき、お客様および、その女性の部下、同僚に対してどのように対応なさりますか?
◆ANSWER◆ 「ビジネスにおける2つの視点」
これは残念ながら結構当たり前に起こります。ですから、私は男女のコンビで営業するというようにしています。
女性のほうがアプローチは楽なので、始めはそれで近づいて、核心に迫ってきたら上司を同行させるというスタイルです。
確かに社会的に男性優位の風潮はあるかもしれないんですが、実は僕としては、女性の方にも言いたいことがあります。
女性は近い視点ではすごく力を発揮しますよね。身の回りのことはすごく覚えているし、それに対する記憶力もありますから、近い視点での物事については抜群の力を発揮するケースが多い。
対して、男性は遠い視点で力を発揮することが多い。そして近い視点でのことについてはあまり覚えていない。
ですが、ビジネスというのは、近い視点と同様に、遠い視点も重要になります。当然買うほうからいうと、担当の営業マンが遠い視点を持てる人間なのかということも、買うか否かの判断材料になります。
ですから、女性も自分は、自分は女性だから遠い視点は苦手でもいいやと思わず、遠い視点も持てるよう努力するべきだと思います。
大手のひとかどの人物や、中堅でも社長さんに営業をしようと思えば、やはり歴史観などを踏まえた大局的な視点で一緒に語れる、というようなところまで自分を昇華させないと、女性男性関係なく話をさせてもらえるというところまではたどり着けないと思います。
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◇QUESTION◇ 「一番工夫したこと」
今までのビジネス経験の中で、これは一番工夫した」と思えることを教えてください。
◆ANSWER◆ 「人よりも圧倒的に働く」
僕が「圧倒的な営業成果を出せた要因」ですが、それは簡単なことです。人よりも圧倒的に働いた、これにつきます。
営業には、確かに要所要所でクリエイティビティが必要なんですが、それは実はそんなに大きな差は生みません。
成果を決定付ける最大の要因は、圧倒的に量を働いたかどうかです。どんなに自分にクリエイティビティがあっても、
部下が一生懸命働いてくれないと、成果はでません。一日一軒しか行かないような部下かそろっていると、全然ダメですね。
僕は、営業の成果は、営業訪社件数と滞在時間を掛け算して営業量として捉え、それに創意工夫(営業質)を足し算したものと考えています。
いろいろな本に、営業の成果は、営業のセンスや考え方など知恵や知識こそ重要だと書いてありますが、そうは思いません。
長い間、新規をやってきた中で出た結論は、成果を出すためには「訪問件数」と「滞在時間」の掛け算、つまり営業量が一番で、そのあとを埋めるのが創意工夫ということです。
ですから、確かに創意工夫という面でも頑張りましたが、決定的な要因というのは、「人よりもたくさんの会社を回り、たくさんその会社の人に会った」ということに尽きるではないかと思います。
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◇QUESTION◇ 「営業として絶対にやってはいけないこと」
営業として、これだけは絶対にやってはダメ!ということを教えてください。
◆ANSWER◆ 「細部までこだわって営業する」
僕が営業として絶対やってはいけないこと、それは、総花的に営業をすること、こだわりをなく営業することだと思います。
たとえば十社のクライアントに、自分の力を0.9ずつ、もしくは0.7ずつかけている。これでは受注できません。 だったら、三社に対して、1.8くらいで営業して、残りはできません、という風にするほうがよほどいいと思います。
「営業力半減期の法則」と言うのがあって、大事な局面で「まあいいかな」と思ってしまうと、その人の営業力は思う度ごとに半減してしまうのです。
「完璧性の追求は付加価値の母」とか「神は細部に宿る」とかいいますが、仕事は、細かいところほど大事なのです。細かいところにまでこだわりを持ってやりきらないと、どれだけ時間をかけても、アウトプットとしてはかなり見劣りしたものになってしまいます。
なぜかというと、人間の能力にはそんな差が大きくつくようなことはありません。差になるのは、その細かいところのこだわりだけが差だからです。その差がお客様から観たときの満足に変ります。
お客様が考える及第点をはるかに超えてこそ、「感動」が生まれ、またこの人と付き合おうかということになります。
ですから、適当な仕事を数こなすよりも、こだわって的を絞った仕事をした方がいい。お客様を感動させられるくらいのところまでやりきるかということを考えて動けば、幸せな、エクスタシーをいっぱい得られるような明日が待っているんではないかなと思いますね。
(つづく)
※次回は、第二部 「組織内マネジメントのコツ」から、「社内で信頼を勝ち取る」「部下指導のポイント」の内容でお届けします。
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