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◆北澤孝太郎氏◆
ソフトバンクテレコム株式会社・執行役員 音声事業本部長。
多数の実績・経験を踏まえ、
独自の営業哲学をお持ちのスーパーセールスマン。
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◇QUESTION◇「ポリシー」
仕事を通じて心がけてきたポリシー(信念・格言)があれば、教えてください。
◆ANSWER◆ 「光明を目指しながらもお蔭様の気持ちを忘れえず」
仕事におけるポリシーというのは特にありません。ただ、日々の生活の中では、光明を求めながらもお蔭様の気持ちを忘れず、ということは常に考えています。
昔、地蔵ボンで近所の和尚さんから聴かされた仏説阿弥陀経や大日経の教え。そういった思想を自分の中の格言にしています。
それから、そのときそのときを大切にするようにしています。人は「移ろうもの」なので、どれだけ自分と一緒にやろうといっていたメンバーであっても去っていくことはありますし、信じた人に裏切られるということもあるでしょう。
ですから、一緒にやっているその時々を大切にして行こうと思っています。もちろん別れる際も大切ですね。
一期一会といいますが、出会う時よりもむしろ、別れる時に情を込めることが大切だと僕は考えています。人間の温かさというのは、この別れ際にこそ出るんじゃないでしょうか。自分にできるできるだけ誠実な別れ方をしようと心がけています。
もう一つ心がけているのは「絶対他力」。「人生万事塞翁が馬」といいますか、一生懸命やるんだけれど、後はどうなっても自分の力の及ばないこと。その結果こそが自分に与えられた道と考えます。
たとえばこの仕事を取りたいと一生懸命やったけれども、駄目だったという場合、それは取るなということだったと思うようにするということです。反省しろとここでは言われているんだと考えることをします。
もちろんほとんどのことは、全力でそのことに取り組むんですが、たとえ出た結果が当初の目標と違っても、長い目で見れば自分にとっては一番よい、受け入れるべき結果なんだと思うようしています。
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◇QUESTION◇「モチベーションを維持する秘訣」
モチベーションを維持するのに心がけていることはありますか?
◆ANSWER◆「やって嬉しいこと」から目を離さない
自分のモチベーションも、部下のモチベーションの場合と同じです。「自分はどういうことをやると嬉しいのか」ということから目を離さないことが大事ですね。
アトキンソンという学者が言うには、やる気というのは、達成報酬の魅力と達成手順の理解、プラス統制感により向上するそうです。
つまり人というのは、したいことがあっても、達成手順が分からないと、モチベーションが沈んでいくものだということです。
それから統制感、自分でコントロールすることも、モチベーションを保つための大事な要素です。
モチベーション高く保ちたいのなら、自分がして嬉しいことと、それをどうやったら達成できるのかというところから目を離さないことです。
達成手順の話ですが、これを達成したい、という人はたくさんいますが、その達成方法を追求する人は少ないですね。
追求しないと、モチベーションは下がっていきます。若者でも、よく、やりたいことが無いという方がいますが、やりたいことがないのではなくて、どうやったらそれがやれるのかがわからないから、やりたいことも見えなくなってくるんです。
例えば、先輩社員が常にエースだと、会社は常にその人を商談に向かわせます。そうすると先輩は忙しいので、新入社員を教育することができない。今までであれば、飲み屋で教えてもらえたようなことが、教えられなくなるので、新入社員はどうやっていいのかわからなくなる。
達成手順を見失うわけです。さらに、課長の方は、なんでこんな簡単なことができないんだ、ということで、直接新入社員に指示をし始める。
「こうやってやれ」「ああやってやれ」「やったか」と。こうなると、指示される方は、自分でコントロールしているという感覚が持てないので、モチベーションがますます沈んでしまう。やらされるのではなく、自分でやる。この姿勢が重要です。
それに加えて、達成報酬が明確であることも重要です。職業でも、ビジネスマン、営業マンになるとこんないいことがあるんだよ、消防士になるとこんないいことがあるんだよ、お医者さんになるとこんないいことがあるんだよ、ということが分からないと、それに対してのやる気が起こりません。
まず「知る・理解する」ということが、モチベーションを上げるための秘訣ですね。
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◇QUESTION◇「各年代での仕事の取り組み方」
各年代での仕事の取り組み方について教えてください。
◆ANSWER◆「各年代での仕事のとり方」
他の講演でもよく言っていることですが、ある方から「人生はVSOP、ナポレオンの順番で頑張っていくもの」と教わりました。
まず20代は"V"――バイタリティです。目の前にあるものを必死でやってください。大事なことは、人よりも圧倒的にこなすことです。ここで培ったことが、自分の専門性として次の30代になって活きてきます。
30代は"S"――スペシャリティです。20代で培った専門性を如何なく発揮するときです。舟橋社長も30代で独立されましたが、20代で培ってきた専門性で勝負されたのだと思います。
それから40代は"O"――オーガナイズティです。誰かと組もうかとか、誰と組ませるとうまくいくかとか、どんな組織を作るとうまくいくか、といったことが、ピンで専門性をわかっている人間には、わかってきます。
30代で専門性を発揮していないとそのことはわからないので、組織で勝負することができないのです。
そして、僕はこうやって自分が培ってきた営業という専門性で、舟橋社長とのご縁で講演をさせて頂いています。
舟橋社長は、営業の専門家としての僕を社員のみなさんに引き合わせることで、なにかヒントになると思われた。僕はそうすることで、舟橋社長にまた営業として後輩の皆さんになんらかお役に立つと思ってここにいるわけです。
こういう人との繋がりをベースにそれを大切に続けていると、これが50代では、次の"P"――パーソナリティ、個性で仕事ができるようになるということらしいです。
僕は今40代半ばですが、こうやって、色々な人と出会ったり、掛け合わせたり、 といった時期にあたると思います。
これを一生懸命やることですね。そうすると多分50代になったときに、北澤さんというのはこんな人だから、この人ならこういうお願いをしようと、個人軸で仕事ができるのではないかなと思います。
その後は、ナポレオンと言いましたが、60代以降は、何にもなくなる、無我の境地だということでしょうか。何もなくても、どんな状況で、達観しながら、しかもそれなりのパーフォーマンスを出せるということだと思います。
実は50代のことはなんとなく見えかけてきていてるんですが、60代のことは今はまだよく見えていないので、実際になってみたら全然違うかもしれませんね。
(完)
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