◆「お金の動きが分かると営業の仕事が楽編」(計4回)
≪第1回≫「営業担当者のコストは非常に高い」
≪第2回≫「経理・財務に喜ばれる営業になる~会社全体を考えて仕事をする!」
≪第3回≫「『入金は早く』は営業担当者の常識」【今回】
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≪第4回≫「営業先を見極める財務知識
~どうせ攻めるなら優良企業・財務諸表の見方」
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◇◇EPISODE◇◇
私はよく経理担当者と喧嘩してしまいます。
せっかく購入してくれたお客様が大変困っているのに、
やたらと入金を急がせます。
お客様は、大企業でつぶれる心配はないのに、
営業の足を引っ張る経理のやり方に怒りを覚えることも再三です。
(商社・営業)
◇◇ HINT ◇◇
入金は早く!が大きな利益を生む。入金が遅れると、値引きと同じ
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みなさんは、上司や経理の担当者と代金回収の件でもめた事はありませんか?
こちらの苦労も知らずに叱られて、怒りに似た気持ちが起こってきますよね。
経理担当者:
「君はなかなか請求書を持って行ってくれないね」
「代金の回収が遅れているがどうしたのか?」
営業担当者:
「なんでこんなささいな事を言うのか!」
「苦労して売っているのに、ささいな事をがたがた言わないで欲しい」
「お客さんも大手で潰れる心配はないし、うるさく言って嫌われたら終わりだよ!」
「なにより新規先開拓の営業で忙しいんだ!」・・・などなど。
実は、経理担当者の指摘は極めて重要で、販売代金回収の遅れは
会社の利益と資金繰りという2つの大きな問題を生みます。
(1)代金回収が遅れると会社の利益が大きく違ってくる
会社の運転資金は銀行から借りていますが、
その支払利息額が大きく変わってきます。
売り上げは変わらないとしても、利益は大幅に減ってしまいます。
ここで一つ、例を挙げてお話しします。
※前提
本日 9月10日
支払い条件:月末締め翌月末払い 販売額100万円(利益率10%)
銀行からの借入金利:年利5%
請求書をお客様に9月30日までに持参した場合
納品日 9月1日
請求書作成 9月25日
請求書発送 9月28日
お客様到着 9月30日
お客様支払い 10月31日
販売日から入金日までの負担金利額
100万円×5%×61日/365日=8,356円
請求書をお客様に10月1日に持参した場合
販売 9月1日
請求書作成 9月26日
請求書発送 9月29日
お客様到着 10月1日
お客様支払い 11月30日
販売日から入金日までの負担金利額
100万円×5%×91日/365日=12,465円
ご覧いただいた様に、わずか1日の違いで、4000円も損をしているのです。
売上げと比べると、0.4%でしかありませんが、利益と比べると、
4%減となります。実に、大きな損失となります。
より、明確になるようにご説明すると、会社全体で、
100億円の売り上げの回収が1ヶ月遅れたとすると、
4000万円の利益減となります。恐ろしい事です。
(2)手元の現金が減ってしまうと最悪、黒字倒産になってしまう!
もう一つ重要な事は回収が遅れた売り上げと同額の現金が会社から減ることです。
現金が減るとそのために、場合によっては、新規事業ができなかったり、
販促が打てなかったり、給与を減らしたりするしかなくなってしまいます。
(これは重要です!)
なぜなら、現金がないから、払えないのです。
これがさらに悪化すると「黒字倒産」になります。
売掛金(回収していない販売代金)はあるが、いろいろな支払代金がない場合、
会社は「資金繰りに窮して」倒産となってしまいます。
営業担当者としても是非、覚えておいてください。
※来週は、「営業先を見極める財務知識
~どうせ攻めるなら優良企業・財務諸表の見方」
というテーマでお送りします。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方