営業職「誰もやらない」101の秘策

 

営業職「誰もやらない」101の秘策

【第1話】「交渉術とは?~交渉の必要性~」

【第1話】「交渉術とは?~交渉の必要性~」

【第1話】「交渉術とは?~交渉の必要性~」

◇聞き手、◆インソース舟橋


◇ではまず、「交渉」とはどういうものなのか?
  また、いつ、どんな場面で、どういう目的で必要なものなのか?
  聞かせてください。

◆僕は銀行に長くいましたが、その前半はプログラマーとしてものづくりをやってきました。その頃は幸せで、機械と対話してればよく、基本的に自分ひとりで何でもやれました。

 それがプロジェクトを束ねる立場になると、他社との交渉などの仕事が増え、すごく「シンドク」なりました。コストを考えたらできないこともあるし、やれと言われたことをやらなければいけないこともあります。

 その後、企画を立てる仕事をするようになりましたが、企画を立てるとそれを実現していなくてはなりません。そのプロセスと言うのはまさに交渉の連続ですね。

 基本的に組織の中では新しいアイディアがあっても、それをやりたい人がいるかといえば、ほぼ全員が「NO」なんですね。今の仕事を変えなければいけないし、もしかしたら今の仕事を奪われるかもしれない。だから、企画を通していく行為は実に大変です。

 新しい企画が採用され新事業をやることになったとします。しかし、社長がやれと言っても、誰もやりません。仮に、「配属されました、辞令が出ました」となっても、「私はやり方がわからないからできません」などと拒否されます。もちろん、それはやり方が分からないからではなく、仕事に対して「嫌だ、承諾しかねる」と暗に言っているんですね。

 私は人生において「やり方がわからないからできません」みたいなことは、100万回くらい言われましたね。
 そうした普通では困難なことを、人を動かし好転させるのが「交渉」なんです。

               + + +

◇非常に難しそうですね。交渉と聞くと激しい議論やディベートのようなものを連想するんですが、そういったものとは違うんでしょうか。

◆まず交渉ってなにかを考えたときに、似て非なるものはディベートだと思います。ディベートと言うのは相手をやり負かす、言い負かすっていう口と頭の勝負だと思うんですね。しかし交渉は違います。生身の人間が全人格を使い戦う、これが交渉なんですね。

 交渉とディベートの違いは、結果がハッピーエンドでなければいけないということです。



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