【第2話】「交渉の上手な人、下手な人」
◇聞き手、◆インソース舟橋
■前回までのバックナンバー
【第1話】「交渉術とは?~交渉の必要性~」
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◇結果がWin-Winにならなければいけないって事ですか?
◆そうですね。たとえWin-Winじゃなくても、
少なくとも自分がハッピーにならなければいけない。
あとは経済的利益が伴うのが普通です。
だから、ディベートが上手いからといって交渉が上手いかというと、
全然そんなことはありません。
むしろ、ディベートの気分で交渉すると、相手に嫌われてしまうことがあ
ります。
◇結局それが自分の利益にならないって事ですね。
◆そうです、ビジネスでは嫌われたら終わりですからね。
そこがディベートとの大きな違いです。
だから、交渉のプロというのは基本的に穏やかに笑ってるんですね。
激しく議論するっていうのは、交渉においてはマイナスなんです。
これは全世界共通だと思います。
悪いやつほどいい笑顔で笑うんですよ。
例えば、アメリカの映画なんかで激しく議論してたりするけど
あれは素人の交渉なんですね。
ビジネスにおける交渉はにこやかに行われるんですよ。
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◇ディベートのように我を出しすぎると、交渉ではマイナスというのは分
かりました。
では、どのような能力が求められるんでしょうか。
◆どのような能力が必要だと思いますか。
あるいは、逆に交渉が下手な人ってどんなだと思いますか。
◇そうですね、話下手の人は人を説得するのが難しそうです・・・
◆うん、そう思ってることが多いんですよね。
でも実は交渉は口下手でも構わないんですよ。
ある意味しゃべらなくてもいいです。
そこがディベートなんかとは大きく違うんですね。
おれは話すのが得意だとか、ディベート大会で一番になった人が
実社会では交渉が下手だったりするんですよね。
交渉は口先で決まるものでもないし、そうするものでもないんですよ。
実を言うと、一番必要なのは「考える」ことなんですよ。
ある課題についてものすごく考える、
そして交渉のシナリオをたてるということをやれば、
ほとんどの交渉はわりと上手く出来るんですね。
◇要するに、どのように話を展開していくのかを事前に組み立てておくの
が重要だということですね。
◆そうです。でも、ほとんどの人はそんなことしてないんですね。
例えば、今からCDラジカセを買いに行くとしますよね。
そのときに店員とどういう風に交渉しよう、
どこに金額の落とし所をつけて買おうか、なんて考えますか?
あまり考えませんよね。でもそうやっていけば、ある程度は実現できると
思うんですね。
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※次週は「どうすれば、交渉がうまくなるか?」についてお送りします。
交渉の具体的な進め方をお話いたします。