【第4話】「論理だけでは説得できない」
◇聞き手、◆インソース舟橋
■前回までのバックナンバー
【第1話】「交渉術とは?~交渉の必要性~」
【第2話】「交渉の上手な人、下手な人」
【第3話】「説得の方法」
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◇交渉というと、ロジックを駆使して相手を説得するというイメージが
ありますが、論理力というのは交渉でどの程度必要なんでしょうか?
◆論理的なだけでは説得は出来ないんですね。
論理的であればあるほど説得とか交渉には弱くなってしまいます。
というのも、論理って言うのは100%正しくないと、
論理にはなりませんよね。
ところが、実際の交渉というのは確からしいものを重ねていくんで
すね。
ですから、論理的であろうとすれば推定のようなものが
使えなくなってしまう。だから、論理的な説得・交渉というものを
意識しすぎると、少しシンドくなることが多いんですね。
◇実社会では、100%確かなことってあまりないですからね。
◆まずありませんよね。だから、ロジックのみの説得って言うのは
子供っぽいものになってしまう。あとは、情緒的説得ばかりでも
子供っぽいものになります。「どうしても嫌」とかね。
品がなくなってしまう。あと技法以外で非常に大切なのは、
人柄なんですね。
◇そういえば、最初に「生身の人間が、全人格を使い戦うのが交渉」
とおっしゃっていましたね。
◆自分はいい人ですよ、世の中に対して誠実ですよっていう顔を
見せなければならないんですよ。だから、しっかりとした格好で、
にこやかに笑っていなければいけないんですよ。
ベンチャーの社長とかがカジュアルな格好で交渉に出てきたり
するんだけど、そうするとあいつは変わり者だって思われてしまう。
相手は警戒するから、その時点で大きな勝ちは取れなくてしまうん
ですね。
だから、マナーや服装なんかをしっかりして自分の仲間だって思わ
せることも大切なんです。また、業務知識もしっかりなければいけな
い。
たとえば、自分が全く知らない捕鯨についての交渉をやれって言わ
れても、それは勝てませんよね。
だから、その分野の仕事のプロでなければならない。
また、長期的に勝つか、短期的に勝つかっというものもあります。
交渉の場で勝っても、嫌われてたらその後の仕事は進まなくなりま
すよね。
インソースの研修では、オーダーメイドのケーススタディを使い、
実際に交渉をやってみるというのがポイントです。
準備をしたうえでの交渉を体験してみる。
そして、これがとても楽しい。これがこの研修のポイントですね。
なぜこのような研修が出来るかって言うと、うちの講師はビジネス
の現場で実際に交渉をやってきた人だからなんですね。
ビジネスのプロで、長期手に勝ってきた人たちなんです。
その講師が、事前にその業界のことを勉強した上で研修をします。