■自社の商品・サービスについて知る
前回は、営業担当者の重要な仕事の一つは価値提供であり、そのため
にはお客さまのことをよく知ることが大切という話をしました。
しかし、お客さまの課題や求めているものがわかるだけでは不十分で
す。営業担当者は、自社の商品・サービスについてよく知っている必要
があります。
ここでいう「知っている」とは単にその商品・サービスの機能や特徴に
ついてだけではありません。それらの機能や特徴がお客さまにとって
どんな価値を持つのか、お客さまの課題にどんな解決をもたらすのか、
そうしたお客さま視点で知ることが重要となります。その視点がなけれ
ば、単なる独りよがりの提供者の論理だけの営業となってしまいます。
■提供価値 X 価値への共感
お客さまを知り自分の売るものを知り、どんな価値提供が出来るか考
える。これは、どちらかと言えばロジカルな世界の話です。そして、ここ
から実際の購買につなげるためには、もうひとつのステップが必要とな
ります。
それは、お客さまにその価値を理解してもらう、さらには自社の製品・
ブランド、あるいは営業担当者に共感してもらうということです。購買
に最終的につながるのは、好きというエモーショナルな世界の話に
なります。
ここで重要なのは、ロジカルな世界とエモーショナルな世界の両方が
大切、ということです。どんなにお客さまに価値のある商品でも、それ
をお客さまに納得頂けなければ意味がありません。また、どんなにお客
さまに共感頂いていても、その期待を裏切るようなものを売れば、その
共感は失望につながるでしょう。
以上、営業担当者としてお客さまに価値提供をするうえで、自分が
果たすべき役割、自分の強みとなる部分、弱みとなる部分を振り返る
参考になれば幸いです。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方