■組織営業力向上のための価値提供
前回までは、営業担当者としてのお客さまへの価値提供というテーマ
でお話しさせていただきました。引き続き、価値提供というコンセプトを
軸にお話しさせていただきたいと思います。
営業担当者として、お客さまへ価値提供を行うことの重要性は皆さん
認識されているかと思います。今回は視点を転じて、所属する組織へ
の価値提供について考えてみたいと思います。
ここでいう組織への価値提供とはなにかというと、要は、常に全体に
つながる仕事をするということです。
例えば、自分が担当するお客さまに出した提案書を、良くできている
なぁと満足して終わるのではなく、汎用化して皆が活用できる資料に
なるよう手を加えて周知することです。
あるいは、クレームやトラブルに対して、その原因を特定し、周囲に
働きかけることにより、社内で同じような問題が起きないよう防止措置
を図ることです。
このような所属組織への価値提供を意識すれば、皆さんの仕事の質
は、はるかに高まるといえます。なぜなら、他の営業メンバーはあなた
が積み重ねた仕事をスタート台にして、次の仕事を進めることができ
るからです。
組織営業力の向上というと、マネージャーや管理職の仕事というイメー
ジがあるかもしれません。しかし上記の例のように、例え新入社員であ
っても、ひとりひとりの行動によって、組織営業力の向上は可能です。
■価値提供は自分に返ってくる
「情けは人のためならず」と昔からいいますが、組織への価値提供は
自分のためにもなります。
「give and given」などとも言われますが、情報の発信者の元には情報
が価値の提供者には価値が返ってくる傾向があります。
力作の提案資料やオリジナルの営業ツールを共有すれば、それへの
フィードバックがもらえ、あなた自身の営業力も向上するでしょう。
また、組織全体の仕事の質を高めるような仕事をすれば、それは必ず
上司の目にとまるはずです。上司の評価が高まれば、より大きなやり
がいのある仕事を任せてもらえるチャンスが増えるでしょう。
今回は、お客さまへの価値提供だけでなく、自組織への価値提供
についてお話しさせていただきました。自組織への価値提供は、
組織(営業)力の向上だけでなく、自分自身のビジネス力向上にも
つながります。
みなさんのさらなる飛躍の参考になれば幸いです。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方