営業として着実に成果を出すためには、いったい何をしたらいいので
しょうか?
私が思うのは、商談の都度「今日のゴールは何なのか?そのために
何をしたらいいのか?」ということを、欠かさずに、毎回自分なりに
考えることだと思います。これが「シミュレーション」です。
シミュレーションは、仮説検証と言うこともできると思います。
まず、ゴールを決める、そのためのベストシナリオを考えておく。
それで、本番それを試していく。これを地道に繰り返すことが大切です。
シミュレーションが大切と考える理由は2つあります。
(1)時間の節約
話の流れを組み立てておくのですから、
当然それをしていない場合と比べれば効率が良くなります。
(2)商談の主導権を握るため
アポが入って、そこに行くのは誰にでもできます。
ただ、シミュレーションをしないで臨む商談というのは、
ベテランの方でしたら「当意即妙」と言えますが、
そうでなければただの「徒手空拳」です。
大抵商談は不発に終わるか、「なんとなく上手くいかなかったな」
という不全感が残るものです。そもそも、準備もせずに商談に臨む
というのは、わざわざ時間を割いてくださるお客さまに失礼ですね。
ということで、いつからか自分でも分からないのですが、
商談の勘所を、訪問の前に想像シミュレーションするようになりました。
「自分は誰に対して営業をしていて、何が求められているのか」
「今日の面談でのゴールは何か?どういうプロセス、手段でそのゴール
に至るか?」
そんなことを事前に想像するということです。
相手にどうやって受け入れてもらえるか?そのための
私なりの工夫が即席シミュレーションだったのです。
余談ですが、前職でシミュレーションが特に求められるのが、ご契約者
様と直接やり取りをする時でした。繰り返しになりますが、私は代理店
営業をしていたので、エンドユーザーたるご契約者様と直接やり取り
することは通常ないのですが、その中でご契約者様と直接やり取りを
するというのは、多くの場合、保険金・給付金のご請求に関する対応で
した。
これについては、保険に独特の、高度にデリケートな情報というもの
がありますので、事前に部課内で綿密な打合せを行い、承認を得て
から臨むことになります。
質問や要望に対して、正確かつ極めて慎重な対応を求められるので
す。一つの失言がとんでもない大問題になることもあります。こんなと
き、シミュレーションせずにお客様に会うことなどとてもできません。
ところで、このシミュレーションですが、私は必ずそれを「書き出す」よ
うにしていました。「1.最初こう言う」「2.次にこう言う」「3.最後こう
言う」という具合に書いていくと、意外とスッキリと考えがまとまります。
そして、多分お客様からはこういう答えが返ってくるのではないかと、
想定問答まで書き出しておくとベストかもしれません。そうすると頭も
整理されてくるし、また不思議とそれが当たるんです。きちんとやった
ときには、思い通りの商談になったことが多かったような気がします。
ちなみに、今はインソースで研修の営業をしていますが、
保険と似たところがあるような気がしています。
研修は、フタをあけてみないと効用や効果が分からないですよね。
保険も研修も、購買を決定していただくプロセスのなかでは、
「実物」や「リアルな効用」をご覧いただけないのです。
つまり、「実物」が見られない中で、どうやってお客様に価値を感じて
いただき、納得して購入いただくかという点では、共通点があるよう
に思っています。
ですので、今もキッチリシミュレーションをしています。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方