【内気営業「中島」のマル秘営業テクニック】
内気営業「中島」のマル秘営業テクニック 【42】
海外のマスコミは大震災に直面した日本の被災者に対して、被災者の忍耐強さと秩序立った様子に驚きと称賛の声をあげています。その一方で、被災者以外の人々による「人の不幸を省みない」言動や行動が糾弾される場面も多く見られます。
インソースでは、営業研修において、「営業は社内で一番お客様のことを考える人」とお伝えしています。直接お客様と関わる時間も長いですし、お客様に実際、一番頼りにされているのは、営業の皆さんです。近年類を見ない非常事態の今、お客様の多くは、不安な思いを抱えています。そういったお客様の思いに気づき、お客様の声を聴くことは、営業の皆さんの仕事なのです。
お客様と接する機会のもっとも多い営業の皆様にとって、最も大切なのは、「お客様の心情を理解した応対」をすることです。それでは、どのようにすれば「お客様の心情を理解した応対」ができるのでしょうか。具体的には、次の4つの方法をおすすめいたします。
1.プラスアルファ(+α)の声かけを行う
2.お客様のご事情を全身で心をこめて聴く
3.解決策を共に考える
4.いくら調べても、考えても解決策がない場合は心を込めてお伝えする
以下に、それぞれの内容を見ていきます。
現在、「地震の影響により、通常通り××はできません」というように、お断りを入れなければならない場合が多くなっていることと思います。このとき、あえて「地震の影響により」だけでなく、次のような一言を添えてみましょう。
「ご不便をおかけしまして、誠に申し訳ございません」
「お時間を取らせてしまいまして、申し訳ございません」
「せっかく当社の製品(サービス)をお使いいただきながら、誠に残念です」
事務的に対応するのではなく、お客様がお困りの事実に対し、お客様の心情を推し量って言葉をかける必要があります。「困っている」人がいたら同情するのはごく普通のことです。ましてや自社の商品・サービスを使っていただいているのであれば、なおさらです。ただ現実には、「地震が・・・」という理由の説明が先行してしまいがちです。現在の相手の立場に立って、共感することが重要です。
「いや、この商品は至急いるんだよ。娘が・・・」などとお客様が事情の説明をされる場合があると思います。このようなときは、お客様のご事情を全身で心をこめてきくことが大切です。お客様の話をきくとは、「態度」「表情」「声」を使って、お客様の「困っている」状況に対しての「共感」を全身で伝えることに他なりません。
例えば、先の例であれば、「さようでございますか。すぐお嬢様に必要なんですね。ご事情お察しいたします」とお伝えします。漢字の細かいニュアンスを表現すれば、これは「聞く」ではなく「聴く」です。事務的ではなく、心で聴きましょう。
お客様は「話して、事情を分かってもらいたい」のです。営業の皆さんにとっては「よくあること」かもしれませんが、お客様にとっては「大きな」「大切な」「まれな」ことです。誠意を示すために遮らずに全身で聞きます。お客様の話を聞いている時間は長く感じられるものです。しかしお客様の話は、ほとんどの場合、3分以内に終わってしまいます。少し我慢して聞いてください。そうすると、両者の間に信頼関係が生まれます。
まず、よくご事情をお聞きし、対策を見つけるのがプロの務めです。様々な可能性を考え、上司、同僚などにも相談します。その際は、お客様のご要望をメモにまとめ、整理して相談します。
場合によっては、どうしても解決策がない場合もあると思います。そんなときは、「いろいろ検討いたしましたが、やはり対策がございません。大変お困りのところ、申し訳ございません。」と心を込めてお伝えします。決して事務的な処理をしてはいけません。
「お客様の心情を理解すること」。それには、サービス業の原点となる「CS」の考え方と、それを具現化したアクションや言葉の表現が必要となります。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方