【内気営業「中島」のマル秘営業テクニック】
内気営業「中島」のマル秘営業テクニック 【52】
先輩たちのすごいところは、お客様の業界や業種など、少しの情報を聞いただけなのに、お客様の課題と思っているところや担当者がどんな方なのかを言い当ててしまうことです。私はいつもそれが不思議だったのですが、「いつも仮説を立ててお客様と接している」という営業の先輩・大畑の言葉で、ちょっと納得しました。
初めての相手や、引き継いだばかりの相手にに営業活動を行なう時というのは誰しも緊張するものですよね。なぜ緊張するのかというと、その相手についての情報がほとんど無いために、前もって心の準備ができないからです。
しかし、たとえ初めての相手であっても、相手に接触する前に収集できる情報というのは意外とあるものです。その情報をもとに、いかに「妄想力」をたくましくして相手をプロファイリングできるかがカギとなります。
自動車の営業担当者によるお客様のプロファイリングを例に見てみましょう。すでにクルマをお持ちのお客様であれば、そのクルマを見れば車種の好みや家族構成はもちろん、どのくらいクルマに"つぎ込む"タイプなのか、までが見えてきます。
また、車内のアクセサリーやシートの上に残された物などから、クルマの使い方や使用頻度なども見て取れます。さらにフロントガラスの車検シールからは、いつ頃買い替えを考えているのかも想定することがきます。
このくらいの情報が仕入れられれば、あとは「妄想力」でそのお客様の人物像や生活シーンについての仮説を立てることができるので、初対面でもある程度相手のことがわかった(つもりの?)状態で話ができるようになります。
もちろん、プロファイリング力を高めるためには、それなりの経験の蓄積が必要です。ただ、闇雲に経験を重ねるのではなく、必ず何らかの仮説をもってお客様に会い、毎回その仮説と実際との違いを振り返ることで、プロファイリング力の精度を高めることができるようになります。
また、仮説を立てて考える過程で「ここはどうなっているのだろう?」と、情報が欠落した部分が明確になってきます。すると、実際に会ったときに意図的にそこの部分を質問することができるので、相手との限られた面会時間を有効に使うことができるようになります。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方