■ソリューションとは求められたことだけに応えることではない
~お客さま以上に、お客さまの事を知ろう
ソリューションとはお客さまのビジネス全体に対して提供されるべきもので、お客さまの担当者が組織全体の課題を把握しているとは限りません。
たとえば担当者から上がってきた要望がシステムに関するものに特化していたとしても、お客さまの業務、情報の流れ、人員の配置や役職・権限の種類等の「全て」を把握しておかないと、提案内容にズレや無駄が発生してしまいます。
■お客さまの真のニーズを把握する~「部分最適」と「全体最適」
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★事例★
システム開発案件を受注したが、後から「聞いていない」となったケース
クライアントA社のシステム部より、業務効率化のためのシステムX開発案件があり、めでたく受注した。しかし、いざA社内に入ってみると、問題はシステム化がされていないことではなく、複数部門で業務が重複していることに起因していることが分かった。A社内で業務再編となれば、システムXそのものが不要となることは必定であったが、そうなれば発注者であるシステム部の面目も丸つぶれであるため、システム部主導で開発はとりあえず進行していった。
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お客さまは、「自社に本当に必要なもの」に、ほとんどの場合、気づいてないものです。
よって、発注者の要求が、お客さまの全社で見た場合の最適解であるとは限りません。事前のインタビューをしっかりしていれば、より有用で、トータル的な案件となったかもしれません。
また、お客さまの全社で見て「全体最適」であっても、世の中の標準から見ると「遅れている・・・」という場合もあります。
■お客さまのニーズとは、具体的に「誰」のニーズかをよく考える
~BtoBビジネスのコツ
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★事例★
受注間際で、担当役員の「ドンデン返し」に会ったケース
クライアントB社の営業企画部より、顧客管理システム開発の案件をもらった。先方窓口のM次長を介してユーザーヒアリングを繰り返し、明日、正式契約というところまで漕ぎ着けたが、突然M次長より「今回はご縁がなかったということに・・・」という連絡が・・・。事情を聞いてみると、社内稟議の段階で財務担当のN専務が費用面で納得しなかったとのこと。M次長の根回し力不足を恨んだが、それ以上に、これまでN専務との面談機会を設けていなかった自分の責任も痛感されてきた・・・。
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企業は組織として運営されています。BtoCとBtoBの違いは、意思決定が個人(つまり1人)で行われるか、組織で行われるかということです。お客さまは複数の意思決定プロセスを経て、最終的な結論に至るわけですが、「社内調整は当然行われているもの」と考えるのは早計です。
その対策として、できる限り、関係者にコンタクトを取っておく。その機会がなければ、こちらからリクエストします。また、提案資料等は、社内のどんな人でも理解できる内容にすることが大切です。
☆次週につづく