営業職「誰もやらない」101の秘策

 【「売る」仕組みを作るマーケティング【5】】

営業職「誰もやらない」101の秘策

ブランドマネジメントを考える

「売る」仕組みを作るマーケティング【5】

ブランドマネジメントを考える

■コーポレートブランドと商品ブランド

企業組織の構造に呼応する形でそれぞれにブランドも形作られます。企業に対するブランドイメージを高めることによって、提供する商品・サービスに対する支持を高めようとする戦略を「コーポレートブランド戦略」、個々の商品そのもののブランドイメージを高めることによって顧客の支持を得ようとする戦略を「商品ブランド戦略」といいます。


■ブランドマネージャーの役割

製品の企画・開発に始まり、マーケティング戦略の立案、販促手段の選定、発売後のメンテナンスに至るまで関わり、一貫して特定ブランドの価値の維持・向上をミッションとする責任者がブランドマネーシャーです。


■ブランドエクイティを市場の中に構築する

ブランドエクイティとは、ブランドが持つ資産価値を意味します。ある特定のブランドが、そのマーケットにおいて他よりも圧倒的に強い支持を受けて有利にビジネスを行っている場合、「ブランドエクイティが高い」と表現します。
早期にマーケットに参入したり、マーケットそのものを生み出したような先駆的なブランドや、既存ブランドを圧倒するクオリティによって支持を確立したブランドなどが、高いブランドエクイティをマーケットの中に構築することが多く見られます。


■ブランドを拡張する

既に特定の商品・サービスで確立されているブランドを、他の商品・サービスにもつけて販売の拡大を試みることを「ブランドの拡張」といいます。「ブランドの拡張」の主なメリットとしては、次の3つが挙げられます。

・新規のブランドを使う場合と比べて、早く消費者に浸透する(低い宣伝コストで済む)
・既存商品と新商品が同じブランドを冠して店頭に陳列される際の販促効果が大きい
・複数の商品の間に貫かれているコンセプトが消費者に伝わりやすい


■ブランド拡張のリスク

安易に隣接するマーケットに既存ブランドをつけて乗り込むと、そこで既に確立されている既存のブランドに阻まれて思うように成果が出ず、自社のブランド価値そのものを下げる結果を招くことになりかねません。また、ブランドを拡張した商品に、自社の既存商品の顧客が流れることも少なくなく、共食い現象(カニバリゼーション)が起きやすくなります。

☆次週につづく

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