営業の仕事で大切なのは、お客さまに自分を認知してもらうことです。先週は積極的にアプローチを続ける「農耕型セールス」についてお話しました。今週は認知度アップにつなげるためのコツをお教えします。
■「アポなし」・「不在狙い」も認知度アップにつながる
自分が思っているほど相手は自分のことを覚えていません。ふと思った時に電話できるように覚えてもらうのが極めて重要です。
目的は、あくまでも認知度アップなので、常に相手に会おうとしないのが極意です。無理に会おうとして相手に面倒がられるより、アプローチの痕跡を残すことが大切です。
「せっかく近くに参りましたもので、ご訪問させていただきました」などと、アポなし訪問し、わざと会わずに資料をおいてくる場合もあります。その場合は、「また情報がありましたら改めてご連絡します」などのメッセージを名刺やメモ用紙に書いて、置いて帰ります。
過去に一度でもアプローチをした先に対する「アポ無し訪問」と、初めての飛び込み訪問は違います。飛び込み訪問は効率が悪く、「どうしても」というとき以外にはしないのが鉄則です。無理な訪問は、居留守や冷たい対応で、自分が不愉快になり、モチベーション低下にもつながりかねません。
■訪問先で長時間待たされた場合
アポの有無を問わず、あまり待たされるようであれば「帰る」のも手です。その目安は10~15分です。
待たされるということは、相手が多忙であるということが予想されます。長時間待ったとしても、まともな商談にならない可能性があります。帰ることで自分も忙しいことを分かってもらい、その後の商談効率をお互いに高めることも必要なのです。さらには、相手に「申し訳ないなあ・・・」と思わせることで、次回優位に立つチャンスがあるかもしれません。
帰る場合は必ず、名刺に「ご多忙のようですので、日を改めます」などのメッセージを記入し、応対の方に託します。何も残さず黙って帰るのはNGです。