【営業担当者としてパワーアップを図る】
営業担当者としてパワーアップを図る 【3】
■アプローチする相手を考える
商談相手は組織内での地位が高ければ高いほど良いという訳ではありません。最初の商談であればなおさらのこと、商談相手としてふさわしいか、得意のタイプかの見極めが重要になります。
自分が売る商品の金額と相手お客さまの決裁権限規程額の関係を知れば、推測可能です。ここで言う決裁権限規程額とは、商品サービスの購入に際して、一定金額以下なら、自分の権限で決められる権利です。
従って、自分の商品金額にあった交渉相手を選べるとベストです。現実にはその方の信任を得た部下となることが多いようです。
a.大企業の例
・予算計上したもので10万円以下~担当者が自由に購入可
・予算計上して1000万円以下~部長が応諾すれば購入可
・予算計上して1000万円以上~総務部長、本部長が応諾すれば購入可
・予算計上なし~総務部長と本部長が応諾すれば購入可
※「予算計上」とは、前年決めた費用予算金額で、原則現場担当者はその合計金額以下しか使えない
b.中堅企業の例
・10万円以下なら部長権限ですべて購入可~担当者には一切権限なし
・10万円以上なら全て総務部長の決裁が必要
ビジネスにおいて、交渉相手が「いくらのお金を動かせる人」なのかを見極めることはとても重要です。お金を動かせない人を相手にいくらセールスをしても、時間の無駄です。
■実権者、キーマンには対策を講じる
地位のある人や頭のよさそうな実権者に対し、商談を進めるのは怖いものです。その「怖さ」を克服するには、相手の「能力」に対策を講じる必要があります。
1対1では自信がない相手に1人で会うと、後の交渉リスクも上がりかねません。そんな時は2人で対応します。1人が話し、もう1人が聞き、相手のしぐさをよく観察するなど、余裕を持って接しましょう。
また、先方は忙しいので、商談・プレゼンテーションはお時間が取りやすい時間を狙います。朝一番か午後一番などがよいでしょう。
■セールス歳時記を知る
売れる時は決まっているものです。
まずは、季節ニーズを捉えます。「昨年のこの時期に、この商品が売れた」というのは極めて重要な情報です。大多数の組織が季節によって動きが異なります。たとえば、人材派遣業界を例に取ると、ボーナス商戦やクリスマスの前は小売業に人材派遣ニーズが高まります。また、生命保険業界では、資金的な余裕から6月などのボーナス時期がセールスチャンスとなります。まず、過去数年間の販売履歴を追ってみましょう。
また、耐用年数、購入周期を考えることも大切です。3年に1度は○○を買う、コピー機は5年に1度買い換える、車は6年に1度買い換えるなど、よく知られた周期がありますが、他にも多くの商品で周期性があります。
☆来週は、「商談のコツ」についてお話します。お楽しみに!
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方