営業職「誰もやらない」101の秘策

 【営業担当者としてパワーアップを図る】

営業職「誰もやらない」101の秘策

ニーズを探る「訊く」スキル

営業担当者としてパワーアップを図る 【9】

ニーズを探る「訊く」スキル

先週は、コミュニケーションにおいては「聞く」「聴く」「訊く」の3つの「きく」があるとお話しました。そして、上手に「聴く」スキルについてもご理解いただけたでしょうか?

さて今週は、相手の真のニーズを引き出すための、上手に「訊く」スキルについて見ていきましょう。


■「訊く」スキルとは?


「訊く」スキルとは、答え易さを感じさせ、自分の目的を達成する回答を得るスキルのことです。

・確認の 「訊く」~「・・・について不都合はありませんでしたか?」
・念押しの「訊く」~「・・・はご理解いただけたでしょうか?」
・要望の 「訊く」~「・・・についてはご了解いただけますでしょうか?」
・心情理解を伝える「訊く」~「何かお困りのことはございませんか?」

など、「訊く」にもいろいろあります。いずれの場合も、「何のために訊いているのか」という目的をはっきりさせることが大切です。


■お客さまのニーズを引き出す「訊く」


お客さまの要望は言葉に表れていない場合が多いものです。隠れた要望にまで配慮することが顧客満足、ひいては営業成果につながります。

お客さまのニーズを引き出す質問話法としては、「他には」「具体的には」「1番」などお客さまに考えさせるような言葉を添えると効果的です。

「他にはどのようなご要望をお持ちでいらっしゃいますか?」
「Aについて具体的にはどのようにお考えですか?」
「どのような点が1番ご不安ですか?」


■「拡大質問」と「限定質問」を上手に組み合わせる


お客さまの意見や要望を確認するときには「拡大質問」と「限定質問」を上手に組み合わせることがポイントとなります。

◇拡大(オープン)質問~一言またはYes/Noで答えられない質問
「どのようなものをお探しですか?」
「どのような点がご不安ですか?」

◇限定(クローズ)質問~一言もしくはYes/Noで答えることができる質問
「Aはお好きですか?」
「ご予算はお決まりですか?」


■会話が広げるために「限定質問」を引き金にする


拡大質問の方が、お客さまのニーズを引き出しやすいのですが、お客さまが話題に対して、精通していないとき、意見が固まっていないようなときもあります。

その場合はまず、会話の引き金として、「Yes/No」、「A/B」の方が答えやすい場合があります。同じ限定質問でも自身の意見や考えを自然と答えられる「会話が広がるような質問」を投げかけてみましょう。

◇選択肢を挙げる
「本件に関しまして、AとBのどちらをお考えいただいておりますか?」 

◇ご要望、ご希望、ご意見など広義の言葉を用いた限定質問を投げかける
「今回の契約について、何かご要望はございますでしょうか?」


■お客さまの言外のニーズを察する・探る


お客さまのニーズは言葉になって発せられるとは限りません。言葉に表現できないような本音(緊張、疑い、否定など)は話し方などの非言語要素に込められることがあります。

話を聴くときは、お客さまが「何を」「どのように」話しているかにも着目しましょう。お客さまの言葉として表れたニーズの関連事項にまで思いを巡らせることでよりハイレベルな応対となります。


■仮説を持つ


質問などからお客さまのニーズを引き出し、その上で商品を提供します。しかし、お客さまの多くは自分自身が「何に困っているのか?」「どんなサービスがあれば楽になるのか?」を正確には理解していません。その場合はこちらから仮説をもって、商品をお勧めし、お客さまにご自身のニーズに気づいていただくようにしましょう。その上で自社の商品を提案することが成功への近道です。

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