【入社3年目までの新人に伝えたい「営業成功のヒント」】
入社3年目までの新人に伝えたい「営業成功のヒント」 【7】
★比較的無口な営業担当者のお悩み
私は提案書をちゃんと作れるし、お客様の話もよく聞いているほうだと思います。しかし、押しが強いタイプではないせいか、お客様にご納得いただくのがどうも苦手です。どうしたら良いでしょうか。
★営業成功のヒント
まず費用対効果で説得。それでもダメなら他人の評価を持ち出す。さらに、それでもダメなら泣き落とし?
■まずは、「費用対効果」を中心に説得する
商談を進めるに当たって、まずは利益、コストなど費用対効果で説得するのが一般的です。
「この装置を買えば、燃料費が10%削減されます」のように「こうすれば利益が出ますよ」ということを示すことは、セールスの王道です。テレビでの通信販売のセールストークを思い出してください。これをベースに具体的にかつ多面的に説明していくのがポイントです。
(1)可能な限り、金額換算効果が説明できること
(2)メリットが実感できる説明であること
(3)1つだけでなく、最低3つぐらいのメリットがあること
というような点に注意が必要です。
ただし実際には「儲かります」だけではなかなかセールスはできません。人は安心感から「いつもの会社」や「いつもの人」にこだわったり、「いつもの製品」を買いがちです。ですから、他人の評価を教えたり、感情に訴えたりしながら、お勧めしていきます。
■難しければ「他人の評価」などの客観的事実を活用する
「費用対効果」で説得できなければ、それに加えて、他の誰かを登場させましょう。人は、「他人の評価」に弱いものです。他社での活用事例、ご近所でのご利用状況、評価サイト、ブログでの評価、なんでもかまいません。このような事例紹介は非常に有効です。特に著名な機関などが評価してくれるとセールス上はありがたいものです。
■泣き落としも営業の「たしなみ」
それでも、動かなければ、泣き落としの出番です。「私の進退がかかっているのでお願いします」とか、「会社が持ちません」のようなもので、相手の感情を深く突くのです。
昨年の9月、中間決算前に、弊社でこんなことがありました。
ある30代銀行営業担当者:「新規営業に最近なりました。中間決算が近いのに、まだ1社も借り入れが取れていないんですよ」(と、やや疲れた眼をしながら語る)
私:「えっ!○×○×」。
私は営業が受注を取れない辛さに同情して、すぐに必要なお金はないと思っていましたが、「たいへんだろうなぁ」と思い、借り入れることにしました。私は優秀な営業担当者のテクニックに負けました。
実際、この方はまったく嘘はついていません。事実をタイミング良く(決算前!)、感情を使って効果的に説明したにすぎません。苦労人(私のことです)は営業トークとわかっていても、この手には弱いものです。
ただしこればっかりやっていると、人格を疑われかねないし、だんだん効果もなくなりますので、毎回毎回使えるものではありません。しかしピンチの時には、こんな手を使って売上げを上げるのも営業担当者の「たしなみ」です。
■時にはプライドを捨てても、相手に喜んでもらうことを考える
お客様が商品・サービスに納得しても、「買いたい」と心から思わなければ、売れません。「セールスされて、買って良かった」と思ってもらうことが大切です。
口は達者だし、頭はいいのに売れない営業担当者が時にいます。大変残念ですが、大抵の場合、我を通しすぎるのが原因です。そういう人は自分のプライドや立場を守ることにこだわりがちですが、これがセールスの邪魔をします。
そんな方は、相手に喜んでもらうには どうすればいいかを考えるのが得策です。「正しい、間違い」で考えず、相手が求めているかどうか?がポイントです。相手が「嬉しい状況」を考えて交渉すればいいのです。あくまで、「相手の論理」で、多様な説得を試みるのがセールスです。
■説得時に忘れてはいけないのはコンプライアンスルール
セールスにおいて、絶対やってはいけないのは、自社のコンプライアンス(法令遵守)ルールを厳守することです。嘘を言ったり、金品を贈ったり、その他、不公正な方法でお客様に取り入ることは絶対にダメです。営業担当者は会社の長期的な利益のために動くことを肝に銘じてください。
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舟橋孝之著「営業のプロが新人のために書いた営業の本」
▼営業力強化研修
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方