4.本文を必要十分な量で簡潔に書く!
~こんな時どう書く?文書作成のケーススタディ
以下の文章は実際の会議の場での発言をドラゴンスピーチというツールで記録し、テキストデータ化して作成したものです。(このソフトは自分の言った事を文字化してくれる優れものです)
【例1】ある営業会議の議事録~話の内容が整理されず、不明確な場合
営業部長「今月の売り上げをどうやって作るのか?」
「新規先を回るのか?」
「それとも既存先にいくのか」
「そうそう新規先といえば、例の大曲商事の方は
どうなってるのかな?」
「最近訪問した、あの何て言ったかな?
日本ベースボールの案件は取れたのかな?」
「日本ベース商事はどうなっているのか?
最近売り上げが落ち込んでいるようなんだが・・・」
というように、整理されずに話されるのが一般的です。
これを議事録で書くとすると、以下の様になります。
1.当月営業拡大策について(←内容を要約して、タイトルをつける)
当月の売上目標達成の為に、対象ターゲットを新規先、既存先に関わらず検討すべきである。特に、新規先の大曲商事、最近訪問先の日本ベースボールの進捗確認が必要と考える。加えて、日本ベース商事の売り上げが落ち込んでいる件は調査が必要である。(営業部長)
※実際に行った事は、
1)言葉を言い換えて文章らしくする
「今月の売り上げをどうやって作るのか?」→当月の売上目標達成の為に
2)言葉に表れていない部分を推測して補記する
「日本ベース商事はどうなっているのか?
最近売り上げが落ち込んでいるようなんだが・・・」
→ 日本ベース商事の売り上げが落ち込んでいる件は【調査が必要である】
【例2】あるユーザーインタビューの議事録~切れ目無くつながっていく場合
ユーザーAさん「アウトバウンド業務の特徴としては、実際に電話をこちらからかけるわけですから、こちらが伝えたいことをきちんと伝えるスキル、それと、お客様のおっしゃっていることをきちんとお聞きするスキル、特にお客様がお話されているのにかぶせて、お話するなんてことはが多々みられます。
実際に営業電話をかけて、目的を達成するためには、言葉のキャッチボールをうまく延々やっていく必要があります。特にお客様にとって、アウトバウンド電話は必要ないものであり、聞いていただくためには延々お客様にとってのメリットを強調したり、それからお客様の心にそわないようなお話をしないスキルが必要になります」
というように、切れ目なく、話されるのが一般的です。
これを議事録で書く場合、以下の様になります。
2.アウトバウンド業務について(←内容を要約して、タイトルをつける)
アウトバウンド業務で必要となる特徴的なスキルは以下の3点です。(ユーザーA氏)
1)当社が伝えたいことをきちんとお客様に伝えるスキル
2)お客様のおっしゃっていることをきちんとお聞きするスキル~お客様がの話にかぶせて、話す場合が散見される
3)お客様と言葉のキャッチボールを上手に実施できるスキル~お客様のメリットを強調し、心にそわないようなお話をしない
※実際に行った事は、
・主語を追加し、不要と思われる部分をカットする
「<実際に電話をこちらからかけるわけですから、こちらが>伝えたいことをきちんと伝えるスキル」
→【当社が】伝えたいことをきちんとお客様に伝えるスキル
議事録の難しさは業務に対する自分の理解に基づいて、 「言い換え」たり、「補記」したり、「省略」したりする点にあります。話し言葉は、残念ながら、そのままでは文章になりません。よって、出来上がった議事録にはどうしても、書き手の「作った部分」が入っています。ですので必ず、上司(場合によっては取引先、交渉相手)に回覧して中身を確認してもらい、後から、「言った」「言わない」にならない工夫が必要です。
--こんな様なところが、文章化のポイントです。ご苦労さまでした。
議事録の書き方は、今回で終わりですが、あらゆる文章を書くためのポイントは、別途、弊社HP「ビジネス文書作成のポイント」をご覧下さい。
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