私は大手銀行で合併の時に立派なマニュアルの作成に関与しました。その時感じたのが、「経営者向けのコンプライアンスマニュアル」がないということと、逆に担当者向き・管理者向きのものがたくさんありすぎるということです。
もっとも、コンプライアンスが一般化したのは、日本ではまだ最近のことですから、その当時、コンプライアンスが上手くいっている会社をあまり聞いたことがありませんでした。その中でも上手くやっているところは、コンプライアンスの重要事項だけに絞って、軽量化して取り扱っている会社だと思いました。
ダメな会社は、コンプライアンスがまずいといわれると、分厚いマニュアルを作ったりとか、チェックを増やす方向に走ったりしますが、それは逆効果だと思います。自分たちがやっている仕事のチェックがそのままコンプライアンスの検査項目になっていればいいのですが、往々にしてズレがあるものです。
例えば、検査のための事務処理の部分です。ひどい場合には、お客さまのためではなく、組織のための内向きな処理になってきますから、CSに反する恐れも出てきます。お客さまを犠牲にした、検査のためのコンプライアンスとなっては本末転倒なのですが、それを分かってない人が余りにも多すぎると思います。
新しい仕事が発生した場合のコンプライアンスチェックは、それが法律・法令からみて、どこかに抵触しないかを検査することに意味があります。
既存の分野のコンプライアンスチェックは、新しい仕事ほど大げさに考える必要はなく、事務フローの見直しをして重要なチェック項目が何かということだけに極力しぼりこんで、シンプルにするのが一番です。
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