■1■ データに触れる
いろいろなデータを集めます。とにかく何でも良いので、その案件に関するものは手当たり次第に読んだり、聞いたりします。データ量は多ければ、多いほど良いです。
具体的には、
(1)お客様のヒアリングを行う(最低5名程度お会いする)こと
(2)公表されている文献、たとえば、政府資料をインターネットで読むこと
(3)案件を受注した以降の新聞・ニュースに注意すること
以上のようなことを1~2週間実施します。
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■2■ 顧客と一体化し、顧客がその上司に誉められる様な内容の資料を作成する
一定量の知識の蓄積がたまってくると、少しづつ、その業界の人の考え方、見方の流れがつかめてきます。だんだんと、自分は「××社の社員だ」と思い込むのです。そして、顧客と同化します。
顧客と一体化するとは、顧客が重要だと考えている事、なんとなく不安に思っていること、プライドを持っていること、「普通こう考えるよね」ということを自分の常識としていくのです。
具体的には、コンサル資料の提出先のお客さまが上司に誉められている様子を思い浮かべてください。
(1)「なぜ、収益(コスト)が削減できるのかの理由をつきとめてくれてありがとう」
(2)「こんな短時間によく当社の収益(コスト)がこんなにも拡大(削減)する行動計画を作ってくれた。ありがとう」
(3)「こんな簡単な手段で実現できてありがとう」
(4)「明確に君の言うことが理解できたよ。感謝するよ」
(5)「この案なら、社内を説得できるよ(社内ロジックを大幅に変えなくて済む)」
・・・などと、言われるさまを思い浮かべて、企画を作るのです。
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■3■ やってはいけないこと
(1)いつも同じ内容のコンサル資料・持論の展開のみの資料を作ること
絶対に慎むべきは、現状分析が甘く、推測で作った、もしくは、ただ、自分の持論を展開した様な資料を作ることです。現状の見えていないコンサルティング資料は価値はゼロです。
(2)自分が評価されることや自分が叱られる事を恐れて資料を作ること
経験が浅いコンサルややりがちな失敗です。自分の立場を意識しすぎて、顧客対自分で物事を考えてしまうため、顧客だけを見た資料を
作ってしまうことがありますが、これはいけません。特に、自分が「手を抜いた」と言われない様にひたすら調査だけ力を入れた資料は逆に混乱するだけになります。
最もいけないのが、汗をかいた結果に執着するあまり、それを中核に据えて資料を作ることです。努力と内容は残念ながら比例しません。あまり自らの「汗」に執着しすぎないことです。
(つづく)
※次回は、説得力のある資料の構成についてお話しします。