今回インタビューさせていただいたビジネスパーソン
◇K氏◇
現在、大手IT企業監査役。 銀行でたくさんの勘定系システムを設計・開発。その後、支店長となり営業を指揮し、卓越した数字を残す。スーパーSEであり、かつスーパー営業マンという稀な存在。
◇ インタビュアー
◆ K氏
■上司と部下では視点が違う
◆後は上司との関係です。スタッフ系の仕事では、上司が仕事を知らない、というのが特徴的です。部下が組み立てている。ところが上司は違うことを知っている。What、Whyを知っている。全社的な視点で、何を狙うのか、担当よりも広い視野をもっている訳です。
◆そうすると、部下が企画書を持っていくと、上司は変な注文をつける。これで怒る部下もいますね。それは前提が違うからです。ここは大事なところで、ここで喧嘩をしなくてもいいのです。「そんなことが分かっているなら、早く言ってくれよ」と。分かっていないんです、上司も。企画書を見て、気がつくのであって。
◇いい部下になるというのは難しくて、上司のミスを突かない、というのが。言われた通りやったのに、と不満そうな顔をする部下がいますが、それはかなり甘いと言えます。
◆上司は部下の資料を読んで、勉強しているんです。違う角度の視点ができるんですね。
■課題設定が、仕事に深みを生み出す
◇仕事のできない人をみていると、浅いところで止まってしまって、指示されていないとその後がない、深みがない人が増えています。これはどうしたら良いんでしょうか。過去にそういった経験はありませんか。
◆それは課題の設定が悪いんでしょうね。部下に何を要求しているのかが伝わっていないのです。こういう課題を解決するプランニングをしてくれ、というところを、逐一手段まで指示したら、部下はその通りやるしかない。
◆「上司の言うことは良く聞いて、あまり聞くな」と良く言いますね。上司はゴールについては確かなことを言っているけれど、手段については思いつきで言っている場合が多いものです。そこは壊してしまって良いんです。
■上司は報告がないと嫌なもの
◆「報連相」というのも大事です。上司は報告がないと嫌なものです。しない部下というのがいるんですね。上司は心配しているのだから、やったら言って来い、というんだけれど。
◇遠慮されたら余計困るんですがね。
◆独自の付箋をつくった人もいたそうですよ。部下に、控えがとれるようになっている付箋で指示を渡して、その控えを自分のデスクにたくさん貼りつけていたらしい。
(次回)「同僚や部下をうまく使う~情報共有でチェンジングコストを下げる」について語っていただきます。どうぞご期待ください。