インタビューで聞く成功した人の「リアル」ノウハウ

 

インタビューで聞く成功した人の「リアル」ノウハウ

【第1話】「新人時代に学んだこと」

【第1話】「新人時代に学んだこと」

◇インタビュアー  
◆舟橋
●「仕事 イズ シンプル」
◇まず、入社してすぐにした仕事と、そこから「学んだこと」を教えてもらえますか?
◆私は三和銀行に入社しましたが、最初は銀行員になるとは夢にも思っていませんでした。
ノンポリの、あんまり物を考えていない学生だった私は、本当はのんびりと、穏やか~な会社に入りたかったのですが、激烈な営業や企画を行う銀行になぜか入ってしまいました。そんな状態だったので、最初は、会社になじめず、やりたいこともわからず、「なんで、こんなことやるのかな」と、ぼんやり思いながら仕事をしていました。最初、赴任したのは、大阪の和泉佐野支店でしたが、そこでの私の仕事は、銀行から外部に持ち出す「手形の計算」でした。その仕事は単純でしたが、間違えなく、そして手早く、手形の計算をするのは非常に困難なことでした。その仕事をしていて、"よくわからないまま"、よくわかったことがありました。それは本来、仕事は「シンプルなもの」だということでした。それまでは、複雑なこと、難しいことをやることが偉いと思っていましたが、単純な決められたことを、きちんとこなすことが非常に大事で難しいことであると、はじめて気づきました。
●「勘所」
◆そうこうしている内に、1年目で異動になり、システムエンジニアの仕事に移りました。最初の二年間は全然、その仕事がうまくいきませんでした。プロミングや設計はうまくすることができましたが、マネジメントについて、全然、何も分かっていませんでした。自分がその状況で何をすべきかというのが分かっていなかったように思います。
いろんな仕事をする中で、先輩や上司から、「お前の話し方じゃあ、言っていることがよくわからない」とか、「お前の文章は文字が多すぎてわかりにくい」などと言われ、全く上とのコミュニケーションが取れませんでした。しゃべるのとペーパーを書くのが怖くなるほどでした。ただ、私はSEだったので、プログラミングだけしていることは許されませんでした。設計とか、説明をして人を動かさなければいけない立場でした。その時やっていたのが「テスト項目」を作る仕事でした。SEが入社してすぐにやる、設計をする際の一番基本的な仕事です。
その仕事は、プログラムをつくったらどのようにテストをするかという項目を列挙するものでした。いまあるプログラムをみて、どういう要件が思いつくか書けと言われましたが、自分でつくったプログラムなら書くことができますが、つくったことがないものなので、条件などがわからず、最初は、テストしろと言われてもできませんでした。また、つくっても、あれも欠けてる、これも欠けてると言われて、なかなかOKしてもらえませんでした。なぜその当時、仕事ができなかったかというと、それは仕事の原理原則がわかっていなかったためだと思います。何をしたらダメで、何をしたらOKなのかがわかっていなかった。つまり、その時は、業務とか、システムとかというものを全然理解できていませんでした。
SEになってわかったことは、仕事の「勘所」ってあるんだなということです。つまり、仕事は、勘所がわからないと、何をしても危うくなってしまう。自転車に乗ることと、仕事をすることは似ていますね。後から思えば単純なことなんだけど、最初はコツみたいなものがわからないと全く「それ」をすることができない。
◇なるほど。はじめて、後ろの補助輪を外して自転車を乗る時も、何度もコケたりして、苦労しましたよね。
◆一度、コツを覚えると、補助輪無しで自転車を乗ることは訳もないのに・・・。仕事も同じで、まず苦労してそのコツ=勘所を知らないといけないんですね。
●「文章をうまく書く鍛錬」
◆その後、少し仕事ができるようになりましたが、なぜ仕事ができるようになったかというと、厳しい上司について、何か会議があったら、発言内容を一言一句漏らさず記録して、それを24時間以内に出せと言われたことが大きかったと思います。
最初は、上司の「赤」がびっしり入って、自分の書いた所が無いあり様でしたが、相手のいうことを書く訓練を続けている内に、 だんだん分かり易い文章が書けるようになってきました。分かり易い文章が書けるようになると、今度は分かり易く話せるようになりました。あんまり一杯しゃべらなくても、書かなくても相手に言葉が伝わるようになりました。ちょうどその時、私は27・28ぐらいでしたが、その時、仕事の勘所もわかり、文章も言葉もしっかりして、はじめて自分がちゃんと「働けているな」と思いました。
インタビューのつづきは第2回で。お楽しみに!
  
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