◇今回インタビューしたビジネスパーソン◇
舟橋孝之(ふなはしたかゆき)
三和銀行(現:UFJ銀行)に入行。システム部門にて顧客分析システム、テレマーケティングシステム開発を担当。その後、テレフォンバンキング、iモードバンキング、コンビニバンキング(ローソン、セブン・イレブン等でのATMサービス)等を企画・開発。現在は、業務改善の教育・研修コンサルティング会社である株式会社インソースの代表取締役。
◇インタビュアー
◆舟橋
◇今回は、弊社=教育研修会社"インソース"の立ち上げについて話していただこうと思っています。
●自分が受けた研修が「つまらなかった」のが"インソース"創設の理由。
◇教育研修の世界に目をつけたきっかけは何ですか?
◆自分が受けてきた研修の中で面白いものがなかったというのが正直な理由です。従来の研修はつまらなかったし、学校の「先生」くさく、「本当に仕事したことあるのかよ」という人ばかりが講師になっていました。従来の研修では、プロのビジネスマンに堪えられるものはないなと思いました。
自分のビジネス経験のなかで、実際に役に立つことは本にも載ってないし、誰かから教えてもらったことでもありませんでした。そういったことを、実際、ビジネスの第一線で活躍している人から教えてあげれば役に立つなと思いました。仕事が「できる人」は、業界・職種・企業が異なっても、何か共通する「仕事のやり方」とか「思考方法」みたいなものがあるので、そういう人がプロの仕事を教える研修ができたらいいなと思いました。
優秀なビジネスパーソンの企画の立て方、クレーム対応、プレゼンテーションの仕方などは、業種を問わず、多くの人達に参考になりますが、これらは会社の重要な知識や業務であるのに、誰も教えてくれないことであり、どんな本にも書いていない事柄です。
私がよく使う言葉ですが、「高度な精神論やマーケティング論はあっても、スキル・ノウハウを教える人間はいない」。これが私の発見した「事実」で、この発見が最前線で活躍するビジネスパーソンを講師に迎えて社会人教育研修会社を起業するきっかけとなりました。
●"インソース"という社名の由来
◇"インソース"という社名の由来を教えて下さい。
◆"インソース"というのは、「アウトソース」と対になる言葉ですが、私共では、「インソース」を「組織内部のスキル・ノウハウを顕在化すること」と定義して、取引先の組織に潜在している優れたスキル・ノウハウを引き出して、それを社内に浸透させ、会社を活性化させることを企業理念としています。
現在、「アウトソーシング」が流行りですが、「アウトソース」だけだと組織はもたないと思います。その組織と運命を共にする人が仕事を一生懸命やるということが、素朴ですが、基本的な会社の姿勢なのかなあと思っています。
また、アウトソーシングで基幹部分を組み上げても、永続的な企業体にはなりにくいと思います。インソース化して内部を鍛えるということが大切だと思います。