議事録は仕事を覚える上で、もっとも有効な方法です。たぶんどの組織でも「若手の仕事」になっていると思います。何が良いかと言うと、自分の仕事に対する理解度を、上司や先輩に確認してもらう場になるからです。
実際、今回は書き方講座ですが、最大の問題は「業務理解」と「自分の立場の理解」になってくると思います。
さて、今回の内容は、前回作成したメモを同じような内容の固まりにまとめていくところになります。
2.同じ内容をまとめる(編集する)
会話をまとめる事が難しいのは、交渉の場面では、何度も同じ事を言ったり、前にかえって言い直したりしているからです。ですから、ここでは、発言を分類し、再構成して、筋道の通った内容にする事が必要です。
■同じような内容をまとめていく~意味の固まりづくり
前回作った文章を並べ替えて、意味の通った内容に分類します。
今回のテーマごとに並べ替えていきます。そんなに難しくはないと思います。
■大きな意味の固まりを「読み手にあわせて」並べなおす
ここで、自分の能力が試されるのは、分類方法です。
2~3の大きな意味の固まりをつくります。
下記3つが出てきたとします。
(例)
1.新規マーケット(首都圏以外)開拓の件
2.営業管理システム更改の件
3.来期重点目標決定の件
※書き方としては、「~の件」で終わっておくのが一般的です
この次に、これをどんな順で並べるかが勝負です。一番簡単なのは、時系列に並べる。会議の最初、次、最後という様に並べるのです。だいたい、会議は大切な順に話しますから、これは、これで無難です。
ただ、基本原則は「最も偉い読み手にあわせる」のがポイントです。つまり、「誰に出すか?」を意識する事です。例えば、営業部長に出す場合、営業部長の興味が3(目標)→1(新マーケット)→2(システム)の順であれば、
(例)
1.来期重点目標決定の件
2.新規マーケット(首都圏以外)開拓の件
3.営業管理システム更改の件
とすべきです。マネージャー以上の方は、こちらをオススメします。
営業部長が読めば、「こいつは仕事が分かってるな!かわいいやつ」となります。何故かと言うと、記録すべき内容が理解されていると感じるからです。(だから、機械的な仕事ではないのです)
議事録のツボは「業務理解」です。これを覚えておいてください。読み手を意識する事から始まるのです。
■各固まり内で意味の通る文章にしていく
ここでのポイントは、各参加者が何と言ったかを正確に整理する事と、意味が通る様に発言通りではなく、その際省略された「単語」などは追加しておきます。業務知識を踏まえ、補記していきます。
営業部長:「来期重点目標は東海地区で売り上げを3倍にする事だ。ところで、山本君、名古屋での取引先は何社あるのかな」
山本主任:「現在、主要な取引先は8社です。三重県には5社ありますが」
営業部長:「じゃあ、最低限、取引先数は、39社、えーと切り上げて、40社」
と発言した場合の議事録文章は以下の様にします。
・来期は東海地区で、今期の売上3倍増を目標とする。(営業部長)
・現在、【東海地区の】取引先数は13社(名古屋8社、三重5社)。(山本主任)
・【来期、東海地区の取引先数は】40社【を目標とする】。(営業部長)
※【 】は議事録作成者が補記したもの。この部分がないと意味が通らない
※発言者は( )で囲んで、後ろにつけておくこと。役職などもつけておくのが一般的です
補記するのを躊躇しないでください。大丈夫です。後で参加者に確認してもらいますので、分かりやすく、補記しておきましょう!
山本主任の発言がビミョーです。省略可ですが、書く場所が多い場合には、せっかくですから、記載しましょう。もし、上司が「1ページにまとめよ」という場合には、削除しても可です。
こんな風に文章を直しながら、本文(あんこの部分)を順次作っていきます。また、約30分というところでしょうか。
(次回)3.議事録らしい形式を覚えよう!~お決まりの記載事項の整理
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