■意思決定グセ(つづき)
多少、技術的な点に及びますが、"意思決定グセ"を励行するにあたって、「解決すべき問題の原因を深く究明すること」が重要です。
「原因の究明が終われば、課題解決活動の7,8割は終えたようなものである」と指摘する人がいるほどです。
それほど、原因を究明することが大切なのです。
意思決定によって選択する解決策とは、問題の原因を取り除き、目標を達成するための手段です。この点、原因の究明が甘くなると、端から適切な解決策を導くことができなくなるからです。
しかし、現実には、この原因の究明がなんともお粗末です。人は、原因究明もそこそこに、手段にはやる傾向を有しているからです。
「いいアイデアを思いついた。これで何とかなるだろう」と決め込んで、実行します。しかし、これで、本当にいい課題解決になるのでしょうか。
皆さんは、問題の解決にあたって、真の原因を究明することの大切さをしっかりと認識してください。
■逃げない・諦めないグセ
「逃げない、諦めない」という言葉にはストイックな響きが漂います。
課題解決活動に、なぜ、このような戒め的な覚悟が必要なのでしょうか。
たとえば、「チャレンジする」といった前向きな覚悟では不十分なのでしょうか。答えは、言うまでもなく、不十分です。
「チャレンジする」では「頑張ったけれどもダメだった」という結果が許容されます。
言い換えれば、諦めが選択肢の一つになります。
これに対して、「逃げない、諦めない」という覚悟には、成功するまで永久に頑張りつづけなければならないという厳しさが含まれます。つまり、会社における課題解決活動には、この厳しさが不可欠なのです。皆さんは、もう一度、"会社価値の最大化"が要求しているハードルの高さを思い起こしてください。
「目標を可能な限り高く設定して、これをやり遂げる」。このためには、「チャレンジ」では弱いのです。「逃げない、諦めない」が必要なのです。
ある自動車会社のトップは、若い人に伝えたい言葉として、「逃げない」という言葉を掲げているほどです。
このトップは、若い人に会うたびに「いやだなと思っても逃げるなよ。自分にこのクセをつけることが大切だ。艱難辛苦(かんなんしんく)が自分を肥やす」と諭しているそうです。
皆さんが逃げなかったときに得られるご褒美は成功体験です。また、成功体験は、逃げずに得られたものだけが本物なのです。
皆さんが"逃げない、諦めないグセ"を身につけるには、確かに厳しいものがあります。しかし、皆さん。こうしたことは決して長くは続きません。
なぜなら、逃げなかったことによって味わう成功体験の喜びや大きさが、新たな成功体験を求めて、「逃げない、諦めないこと」の効用を喚起してくれるからです。
皆さんは、少しの辛抱です。自分自身に「逃げるなよ」と言い聞かせて、ひとつ成功体験をつくってください。そして、これを積み重ねてください。"逃げない、諦めないグセ"に病みつきになる日が遠からずやってきます。そして、「会社の中で真に頼れる者は、自分をおいて他にいない」という使命感に燃え、また、周りの人からもこのように信頼される日が必ずや訪れるはずです。
(つづく)
* * *
【オススメカリキュラムをご紹介!】
研修では、「自分が言われて嬉しい言葉、ほめ言葉リスト」作成実習など多くの演習を通じて、部下指導のコツや目標管理、業務改善、リスク管理の手順・手法を習得していただきます。
本研修では、多面的な視点からリーダーに求められる役割を自覚していただき、今後必要とされる部下育成・指導、目標管理、リスクマネジメントのスキルを習得していただきます。
本研修では、職場リーダー・管理職に必要な「段取り研修」のうち、特に「部下・後輩指導力」 に重点を置き、ペアワークなどを通じて「聴く・訊く・ほめる・叱る・対話・面接」のスキル向上を図ります。
* * *
その他、お客さまのご要望に応じて必要なカリキュラムを作成させていただきます。