┏───── 今回のビジネスパーソン ──────┓
◇安藤弘一氏(Hirokazu Ando)◇
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■目標3割アップグセ
問題発見プロセスの中に、達成すべき目標の設定があります。また、PDCAを回すうえでも、目標の設定はつきものです。実は、この目標の設定に大変重要な意味が含まれています。
なぜなら、この高さが、課題解決活動の最終結果を規定するからです。
誰でも、目標達成に向けて頑張りますが、この上を目指して頑張ることは、通常、ありません。「はじめ良ければ全てよし」と言われますが、経営者は、このため、目標の"高さ"にこだわり、この"高さ"を上げることに執念を燃やすのです。
十年以上前、銀行での出来事です。
ある人が、上司から「金融自由化を踏まえて、わが行はどのように対処すべきか」と質問を受けたことがあります。そのとき、彼は、「金融自由化は、外国勢や他業態からの市場参入を促します。大変な時代がやってきます」と答えました。
あとになって、彼は、そのとき、なぜ「変化があるときにはチャンスがあります。わが社は、このチャンスをしっかりと捉えて、グループの発展につなげるべきです。そうすれば、脅威を跳ね退けることもできます」と答えられなかったのかと後悔したそうです。
「金融自由化によって大変な時代がやってくる」と思っていては、掲げられる施策が"守り"になります。「金融自由化こそチャンスである」ととらえれば、逆に"攻め"になります。
もちろん、"守り"の重要性や必要性を否定することはできません。しかし、"守り"の姿勢だけで"会社価値の最大化"を実現できるのでしょうか。
志高く目標を掲げることが質の高い課題解決活動に取り組むための条件であり、これによって、会社は、"会社価値の最大化"に向けて前進できるのです。
"目標3割アップグセ"は、以上の考え方を行動に移すものです。ここで3割という数字に意味があるわけではありません。3割アップという言葉に象徴される目標の高さに意味があるのです。
いま皆さんが考えている目標を、量的にあるいは質的に、1ランクないし2ランク上げてみましょう。そうすれば、新しいアイデアも出てくるし、より確実な成果も得られるのです。
それでは、"目標3割アップグセ"をいかに具体化すればいいのでしょうか。
「同じことをやるのであれば、2分の1の時間で、同じ効果が得られないかと考えるべきだ」
「来店いただいたお客さまに、いかに2倍の買い物をしていただくかが重要だ」
「誰でも売上には目が行くが、コストには目が行かない。コストをよく見たら、1,2割のカットは直ぐにできる」
「いい商品をつくることが大切だ。そうすれば、わざわざセールスに行かなくても、顧客が訪ねてくる」
・・・など、考え方や手法には事欠きません。
"尊い利益"の確保を意識して創造性を発揮することは仕事を楽しくさせます。この点、皆さんにとって、"目標3割アップグセ"は、比較的身につけやすいクセといえます。
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