┏───── 今回のビジネスパーソン ──────┓
◇安藤弘一氏(Hirokazu Ando)◇
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■リーダーとしての強い信念と覚悟が大前提
皆さんは、リーダーに威厳のようなものを感じたことがありませんか。
組織には、リーダーである"長"がいて、次席がいます。この二人を比較しても、"長"と次席では、威厳がまったく違うのです。
「この違いは、いったい何だろう」と思わず考えさせられます。実は、この違いは、リーダーとしての責任の重さと、これを全うしようとする信念と覚悟の違いから来ているのです。
実際、この信念と覚悟を備えていない者がリーダーになると、組織は悲惨な状態になります。組織は方向性を失い、パフォーマンスが低下します。その建て直しにも多大なエネルギーを必要とします。
この点を踏まえて、ある会社の人事部長が、初任のリーダーにお願いしていることがあります。
それは、リーダーは、
1)自ら組織をリードし、お客さまと会社に貢献するという強い意志と信念を持つこと
2)組織がよくなるのも悪くなるのも、すべては自らのリーダーシップにあると認識すること
という2つのことです。
■リーダーは、目標を達成できるかどうかの計算力を持たなければならない
それでは、具体的にPDCAを回していきましょう。
PDCAは"Plan"から始まります。
何事もスタートが肝心です。P"の段取りの良し悪しが、引いてはPDCA全体の成果を規定し、支配します。リーダーは、この点を認識し、"P"の段取りに全力を挙げて取り組まなければなりません。
"P"の段取りを再確認しましょう。"P"とは、組織目標とこの達成に向けて取るべき基本方針をメンバー全員で確認することから始まります。そのうえで、誰が、何を、いつまでに達成しなければならないのか、役割分担を明らかにします。
それでは、成果を出せるリーダーは、この"P"の段取りをいかにリードしているのでしょうか。その答えは、「どうすれば目標を達成できるか計算力を発揮して判断する」です。
具体的には、展開すべき施策を検討し、それぞれの施策に経営資源をいかに配分すれば、目標を達成できるのか、この点について何通りものシミュレーションを行い、その中から、ベストの方法を選択するというものです。
リーダーとは、組織全体を見渡す立場にある唯一の者です。
リーダーが自らこの計算力を有し、この計算力を発揮できなければ、PDCAは適切にスタートしないのです。この計算の結果、リーダーは次の諸点を掌握でき、これらをメンバーに伝達することができるのです。
・目標を達成するために、今期、何を重点施策に据えるのか。それは何故か。
・この結果、今期は、前期と比べて何をどのように変えなければならないのか。
・それぞれの施策を完遂するために、メンバーは各々どのような役割を担うのか。
・目標達成の難易度に照らして、今期、進捗状況をどのように管理するのか。
"P"の段取りがこのように周到に準備されると、PDCAの展開が実にスムーズです。
たとえば、次の"Do"において、月次目標の達成状況が思わしくないとき、"P"の段階で想定した前提(=たとえば、A君の生産性を100と見込んでいたが、実は80であった)をチェックすることによって、PDCAの"Check"と"Action"を適切に進めることができます。
※次回は「経営リーダーシップを鍛えるポイント2」をお送りいたします。
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