■私が体験した、ちょっと面白い「新人研修」
インソースで若いスタッフと一緒に仕事をしていると自分も20代に逆戻りしたような錯覚を起こしてしまいます。
家に帰って鏡を見てようやくリセットされ、現実に戻る日々・・・。
こんな私にも初々しい時代がありました。
放送局に入って間もない頃、私は2つの新人研修を受けました。
1.「山登り研修」
たまたま当時の常務の趣味が山登りだったというだけで、毎年恒例で行われていました「山登り研修」。
60代の常務に先導されて、社長をはじめ、数名の中堅社員、5人の新人が西穂高に登り、頂上では新人だけでニュースを1本作るという研修でした。
新人のうち2名が男性だったので、率先してカメラや機材を運んでくれましたが、慣れない登山は相当きつかったことだけが思い出されます。
やっとの思いで、頂上に到着。
しかし新人の私たちは景色を楽しむ余裕もなく、ニュースを作るという課題で頭がいっぱい。
新人みんなでニュースのネタを考え、新人記者が記事を書き、新人アナウンサーがレポートし、新人カメラマンが撮影したのでした。
残念ながら、どんなニュースを作ったのか覚えていませんが、きっと素人っぽい内容であったに違いありません。
それでも作り上げたニュースは下山後、夕方のニュース番組でオンエア
され、達成感を感じるとともに連帯感も芽生えた研修となりました。
2.「営業研修」
もうひとつは新人だけで売り込みをする「営業研修」。
スポンサーを見つけるところまでに留まらず、「私たちに御社のCMを作らせてください」という思い切った行動に出ることになりました。
まずは通常勤務を終えた後に、新人営業部員を中心にアナウンサーや報道記者など仕事の枠を超えて、飛び込みの営業活動をすることから始まりました。
活動できる時間が限られていたために、居酒屋やバーなど夜の飲み屋街を転々と回ったものです。
地元密着の放送局の新入社員が直にお願いにやってきたことに共感してくれた3社がスポンサーとして協力してくれることになり、CM作りもさせてもらえることになりました。
いざ、CM作り。打ち合わせから撮影・編集・ナレーションまで、自分達でできることはなるべく他を頼らずに作りました。
今思えば相当ローカルな田舎くさいCMだった気がしますが、自分達にとっては満足のでき映えで、放送までこぎつけた時にはみんなで手を取り合って喜んだものでした。
例年以上に熱心な新人の活動が評価され、営業局長賞をいただき、これらの研修を通して、企業としてお金をいただくことの大変さをはじめて知ったのでした。
■より実践的に、効果アップを目指して
私の新人時代は、体験型研修の中でも、体を張った研修が主流だったように思います。
そうしながら、社会人としての自覚が芽生え、会社へ貢献する意識が高まったものですが、時代やニーズに合わせて研修も変化しています。
当時、新人だけで営業活動を成功できたのも、バブルの名残りがあった時代背景に後押しされた結果であることは明らかであり、ここ最近は、わざわざ山に登らなくても達成感や連帯感が得られる、より実践的な研修が求められる時代になっていますね。
達成感、連帯感といえば、例えば、インソースには入社前から内定者向けに行う「社内インタビュー研修」があります。これは、入社前に、現場で働く先輩へインタビューをすることによって、内定者のモチベーションアップや不安の除去を行うとともに、「きく力」を養成する効果が期待できるというものです。
また、内定者からマネジメント層まで幅広く受けていただけるのが「ビジネスゲーム研修」。
ゲーム要素(競争)を取り入れながら、シュミレーションを通して「現場で使えるノウハウ・スキル」の習得を目指します。
そして、私のイチオシは「業務改善研修」。
組織のありとあらゆる皆さまが対象です。現場の一人ひとりが自ら考え、職場の問題点を見つけ出し、全員で改善案を企画します。そして、その企画を実施するための各プロセスを徹底して考えます。
「企画案を作って終わり」ではなく、どうしたら職場の同意を得られるか、どうやって費用を調達するか等、必死に頭を働かせて考える中で、山登りに匹敵する達成感や連帯感も得られ、さらには「リーダーシップ力」、「周囲を巻き込む力」、「仕事に対するやりがい」などが自然に身につきます。
研修が終わった後も、その成果を長期的にフォローしていけることもこの研修の魅力のひとつです。
■研修で協力できなければ、現場でも協力はできない
ビジネスネスにおけるチームワークの重要性は、言うまでもないことです。これまで述べてきたような体験型研修は全て、周囲の人間との協力関係なしには成立しません。
翻って言うと、研修という場を通じて、他人との協力関係構築力、というようなものをはかることができます。
研修という、言ってしまえば「虚構の現場」においても、率先して協力関係を作れるかどうか、研修担当者や上司、経営トップ層はこのあたりを重視して受講生をご覧になるのもよいかもしれません。
☆この項終わり。次回もお楽しみに!
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