■コンプライアンスは事務処理が正確に行われているかチェックすること
「コンプライアンス(法令遵守)」という言葉を聞くと、難しいイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。でも実は、すこぶる基本的で簡単なことです。基本的な仕事は法令に基づいて大枠が決まっているので、コンプライアンスの問題を意識しなければならないのは詳細な事務処理の部分だけです。
すなわち、問題は、事務処理が円滑かつ適正に行なわれているかどうか、正確で迅速にされているかどうか、という点なのです。事務処理が、確実に実行されているということを前提として、その担保として目を変えチェックをするというのが「コンプライアンス」です。あるいは、安心を求めるというのが「コンプラインス」といってもよいでしょう。
会社の中で「コンプライアンスの問題」だと考えられるものの多くは、単純に仕事の進め方や段取りが悪いということも往々にあります。
■コンプライアンスはチェック表でチェックするのがよい
往々にして多いのが、非常に分厚いコンプライアンスマニュアルを作ったまま、使わずにほこりがかぶっているということです。一見、「チェックするならマニュアルがなくては」と思いたくなりますが、場合によっては、コンプライアンスマニュアルが無くても構いません。ある事務処理をするための書類があり、そこにコンプライアンスのすべてのチェック項目が入っていれば、もうそれはそのままコンプライアンスマニュアルになります。
それをチェックする担当者は、書類の中にあるチェック表の項目がきちんと埋まっているかどうかを、業務のなかでチェックしていけばいいわけです。また、動態観察も重要です。動態観察をしっかりしないと、形式に流れ、書類の中のつじつまが合わなかったりします。
■全部をチェックする必要はない
動態観察がきちんとできるようなチェックリストを作ることがコンプライアンスの真髄です。コンプライアンスは、マニュアルやフローに基づき、上手くいっていないところを良い方向に直すものだと思って頂く方がいいと思います。
ただ、些細な所までチェックをしすぎて、重要な部分のチェックがおろそかになることに注意しましょう。全部チェックする必要はないのです。最優先の重要な項目だけチェックすればいいのです。全部チェックするということは全部チェックしてないと一緒ですから。
また、チェックを多くすればするほど何が重要なのかが不透明になってきます。私の経験からするとコンプライアンスというのは立派なマニュアルは全く必要がなく、必要最低限度のチェック表があればいいといえます。
つまり、仕事やコンプライアンスを上手くやるには「捨てる」ことが重要です。書類関係でもそうですが、いかに捨てるか。そして、どうしても残さなければならないものだけを残した結果をコンプライアンスチェックすれば良い、ということです。
「きみは営業に向いてない」
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