■「検査のために事務処理をしてしまう」危険性
コンプライアンスが、お客さまのための準備や、自分たちが取り組んでいる仕事のチェックが、そのまま検査項目になっていればいいのですが、往々にしてズレがあります。そのズレというのは、「検査のために事務処理をしてしまう」部分です。この意識が大きくなってくると、お客さまのためではなく、内向きな作業になってきますからCSに反してきます。よくある話ですが、「お客さまを犠牲にした検査のためのコンプライアンス」となるわけです。その辺りのところをご理解いただけていない方が多いように感じます。
民間の場合は色々な法令があり、そのチェックは普通の人ではなかなか難しいです。そのため専門家がチェックすることには意味があるのですが、役所のような決まった仕事をしている所がコンプライアンスというのはおかしいように感じられます。
要するに、新しい仕事があり、それが法律・法令からみて、どこかに抵触しないかを検査することに、コンプライアンスの意味があるのです。既存の分野のコンプライアンスチェックは、新しい仕事ほど大げさに考える必要はなく、事務フローの見直しをして重要なチェック項目が何かということだけに極力絞りこんで、シンプルにするのが一番です。
■コンプライアンスの研修
コンプライアンスの研修を行うとき、それが単なる「お勉強」になってしまってはあまり効果がありません。弊社では研修の前に、お客さまのコンプライアンスの体制や内容のチェックをしますが、その際に重視するのは、
第1に、コンプライアンスマニュアルがあるかどうか
第2に、外部に出す文書手続きのフローを見直し、違和感などがある点や形骸化してしまっている点を洗い出す
第3に、形骸化してしまっている部分や、違和感がある所を、なぜそうなってしまったか、原因をしっかり把握する
という以上の3点です。
研修を行う前に、以上の3点に関して、先方に「事前課題」を出して考えて頂きます。ぜひご検討ください。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方