事業継続計画(BCP)を作成する第1段階として、まず事業継続計画(BCP)の基本方針を作成します。この作成のポイントは以下の3つです。
■まずは漏れなく洗い出す
新型の感染症やサイバーテロ、風聞・噂、サプライチェーン(供給網)の支障など、想定しなければならない災害や事故は多数あります。考えられるものはとにかく漏れなく洗い出します。
東大名誉教授は「可能性の非常に乏しい隕石(いんせき)の衝突は想定しなくても、テロリストによる攻撃、例えば冷却用の海水を取り込む施設の破壊は考えなければならないかもしれない。『悪意の鬼』となって危険を見つけだし、その情報を社会で共有することから対策は始まる」と言っています。
(2011/5/16日本経済新聞朝刊11面「東日本大震災 科学者が語る2 「悪意」に基づき危険探知」より)。
■リスクの大きくなりやすいものに焦点をあてる
BCPを作成するにあたって、考えられる災害・事故を漏れなく洗い出したら優先順位をつける必要があります。それではどの災害・事故に注目するか?
洗い出した災害・事故をリスクが発生する可能性と影響の大きさを考え、連関図にあてはめていくと、リスクの大きくなりやすい想定災害・事故をしぼりこむことができます。
具体的には、縦軸を「発生の可能性」として上にいくほど可能性が高くなるとし、横軸を「影響の大きさ」として右にいくほど影響が大きくなるとします。
不測の事態に遭遇した場合に限りませんが、どの事業(業務)に対して経営資源を優先的に投資するかは、企業経営の前提です。企業経営の前提として、企業の存続および持続的な成長を図ることが当然のため、優先される事業(業務)は経営戦略に直結したものが必然的に選ばれることになります。
■事業継続計画(BCP)の推進体制を決める
事業継続計画(BCP)の推進体制は、2つの意義を持ちます。
1つは、事業継続計画(BCP)を作成し、不測の事態が生じた際のために初めて事業継続計画(BCP)を作成するための体制。
2つめは、実際に不測の事態が起きた場合に、あらかじめ作成された事業継続計画(BCP)を指揮・実行するための体制です。
実際に不測の事態が起きた場合、権限と責任など指揮命令系統が明確であることが大切です。例えば、大地震が発生した場合の「防災対策本部」など、あらかじめ指揮命令系統を確認しておきましょう。
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