【事業継続計画(BCP)の作り方[4]】
事業継続計画(BCP)の作り方[4]
今週は、リスクの洗い出し・評価から、リスクシナリオ作成、ボトルネックの把握までについてお話します。
■リスクの洗い出し・評価
想定した災害・事故が起きた際のリスクを洗い出します。ここでの「リスク」とは、次の6つの経営資源(リソース)が使用できない状況をいいます。
1.人(要員)
重要業務に従事できる役員・従業員が確保できるか? その前提として、従業員との連絡体制・安否確認の仕組みが整備されているか?
2.ライフライン
重要業務に電気・電話・インターネット・水道・ガス・交通などの影響がないかどうか?
3.モノ(業務用資産)
本社機能がある重要拠点が確保できるか? 重要業務を稼動させる事務所・工場などが使えるか? パソコン、コンピュータネットワークなど日常業務に不可欠な資産が利用できるか?
4.情報(重要データ)
重要業務に必要なデータ(取引先情報・顧客情報など)が使えるか?
5.関係先(仕入先・納入先)
重要業務に関係する仕入先からの調達が大丈夫か? サプライチェーンの一環としての納入先との関係が調整できるか? 物流機能が確保されているか? 外部委託先との協力関係ができているか?
6.カネ(財務)
緊急時をしのぐ財務的な裏づけがあるか?
なお、上記の6つのリスクから派生して、信用リスク・風評リスクが生じる(二次的リスク)可能性があることも考慮します。例えば、サービス復旧に手間取ると信用を毀損するなどです。
洗い出したら、それを「想定される被害」と「準備の度合い」の方法で評価します。
例えば、
・被害は間違いなく受けるものについて、準備が全くできていなかったら、評価「3」。
・被害は受ける可能性があるというものについて、準備が不十分だったら、評価「2」。
・被害は受けないもの、かつ準備は万全というものについては評価「1」。
■リスクシナリオの作成
重要業務ごとにリスクの洗い出し・評価をした後、リスクシナリオを作成します。リスクシナリオは、不測の事態が発生した場合に、どのようなリスクにより事業が中断されるかをシナリオ(ストーリー)として記述したものです。
この場合、リスクが発生した場合の被害・影響につき、時系列・組織別で記述します。
例えば、初動として、避難・救済しなければならないときに、担当する部署はどこで、どのようなリスク内容によって、重要業務が中断されるのか? これを、救援⇒安否確認⇒被災状況確認⇒情報共有⇒対外的発信⇒復旧作業⇒復興作業などの時系列で確認していきます。
■ボトルネックの把握~復旧を長引かせる原因の把握
さてここまでやってきた、リスクの洗い出し・評価、およびリスクシナリオの作成で、復旧を長引かせる原因となる重要要素(ボトルネック)が何かを特定することができます。基本的には、被害の大きさと事前準備の度合いの評価の合計が大きいものがボトルネックになる可能性が高いです。
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