今回は、コミュニケーション(接し方)の3要素について考えてみましょう。
■話をする場合の位置
皆さまは、人との話をする場合の位置について、場面に応じ、意識して接していますでしょうか。
例えば、テーブルと椅子がある場合、議論するときと親しみをこめて話すときとで座る位置を区別していますか。
議論をするときはテーブルを挟んで座りますが、親しみを込めて話すときはテーブルの淵を囲んで座るのが良いとされています。
ちょうど、男女の関係も、最初はご対面型ですが、段々親しくなりますと彼(または彼女)の横に座りたくなるのと同じです。
■話をする場合の距離
ビジネスで人と接する距離については、いかがでしょうか?
新入社員の教育マニュアルにこんなことは書いてありませんが、一流のセールスマンは、意識的にこの距離を見極めています。
表敬訪問での挨拶は3メートル、通常の仕事でのやりとりは2メートル、そして交渉ごとになると1メートル。さらに、膝詰め談判になると0.5メートルと。これは、あまりにもマニュアル的な記述ですが、おおむね、こんな感じです。
■演出の重要性
さらに、コミュニケーションの内容によって演出を考えていますでしょうか。ホンネの議論を行うときは狭い部屋で行うのが効果的なのに対して、形式的・儀式的に進めたいときは広い部屋を使うのがポイントです。
人の数で部屋の広狭を決めるのではないのです。話すべき内容で部屋の選択をするのがコツです。もちろん、狭い部屋の場合、議論が攻撃的になり、ケンカになる覚悟も場合によっては必要です。
演出の重要性はこれだけではないですね。国際会議などで平等感を演出するためにラウンドテーブルにしているのをよくご覧になると思いますが、こんなことも場合によっては必要です。
また、結構多数の人の前で話すときは、前列を埋める工夫をすることが不可欠です。これをしない主催者は、それだけで失格です。よくありますね。
多忙な人でないと効果はないですが、田中角栄や原敬が良く使った手法をご紹介しましょう。
曰く、はじめに会った人には「あなたとははじめに話したかった」と言い、一番最後まで待たせた人には「あなたとはじっくり話したかった」と言ったそうです。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方