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「売上向上に対する意識」の有無を行動の実践度合いで把握し、目標達成を支援する
「売上向上に対する高い意識」があるかどうかは、その人の行動に表れて初めて把握できるものです。そのため、「売上向上に対する行動の実践」を目標に掲げて、営業マインド定着を推進することが望ましいです。
トップから「営業担当以外の社員・職員も、営業マインドを持って仕事にあたるように」といった指示があった場合、人事担当者が最初に考えなければいけないのは、「そもそも『営業マインド』とは何を指すのか」、そして「それがどうなっていれば目標を達成したといえるのか」という質問に対して、まず自分自身の答えを明確にしておくことです。
これらの問いに対する答えが曖昧だと、実施する施策についても曖昧なものとなってしまいます。そのうえで改めて「営業マインド」という言葉について考えてみると、このような文脈における「営業マインド」とは、「売上向上に対する高い意識」だと言い換えることができます。
ただし、売上に直結する部門に属していない人に「売上向上に対する高い意識」があるかどうかは、その人の行動として表れた時に初めて把握できます。そのため、「売上向上に対する行動の実践」を目標に掲げて、営業マインド定着を推進することが望ましいです。
また、売上を向上させるためには、「売り上げ向上につながる行動を起こすこと」と「売り上げにつながらない行動を減らすこと」の両方を実践していく必要があります。
手順としては、まず各自に、それぞれの業務における「売り上げ向上につながる行動」と「売り上げにつながらない行動」を洗い出してもらいます。その後、洗い出された行動について、量と質の両面から目標管理と達成支援を行います。
このような活動を継続して行っていくことで、その実践度合いから計測可能な形で営業マインドの向上を推進していくことができるでしょう。
例えば、営業以外の部門であれば、営業や顧客からの依頼に対するレスポンスについてスピードアップを図るために目標時間を設定しても良いですし、業務改善の提案数を目標にしても良いでしょう。
いずれにしても客観的に計測可能な形で目標を設定することが重要です。決して大きな目標を立てる必要はありませんが、続けていくことが大切です。
このような活動を継続していくことで、結果として組織全体に「営業マインド」が醸成されていくことでしょう。