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成長が遅いと感じられるのは、いくつかの要因があります。
1.【本人の性格に起因】
もっと「できる」のに高いレベルを目指すことをしない。
2.【基礎スキルに難あり】
「基礎固め」が弱いために仕事のプロセスで時間がかかる、他者と行き違いがある等の小さなトラブルが発生し、最終評価が上がらない。
3.【成長モデルがない】
経験年数や年齢に応じて「いつまでにどのくらいのレベルに到達する」というイ
メージが上司と部下で共有されていない。
4.【環境が影響】
周囲が簡単な仕事しか与えていない。
本人の性格に起因する場合でも、基礎スキルが未熟な場合でも、対応方法は同じです。下記の流れを日次や、週次で繰り返します。
1.考え方の基本を説明する。
2.上司・先輩がやってみせる。
3.本人にやらせてみる。
4.結果を報告させて、成果を確認する。できていればほめて、至らないところ
はやり直しをさせる。
時間の経過とともに本人が要領を掴んでいくことができれば良いのですが、時間のかかる部下もいるものです。よって上司側には、焦らず温かく対応する気持ちの余裕が必要です。
「成長モデルがない」場合は月次、あるいは四半期単位などの面談が有効です。周囲からの期待や、目指すべき具体的な指標を与えることで変わる部下もいます。目的や目標、手段について、上司と部下で認識を揃えることが重要です。
この場合は、上司を含めた職場全体の見直しが必要となることもあります。たとえば、必ずしも、最も若い社員が会議の準備をしなければならないわけではありません。順番制に変更してもいいのです。また、困難な仕事でも、能力があれば年次をスキップしてでも担当させるなど、上司があえて、いつもと違う進め方を取ることも一つの「手」です。
最終手段は、対象となる部下の配置転換です。もっと多様な経験ができ、成長に繋がる機会がある部署へ異動させることも検討します。
いずれにしろ、自ら考えて接点を持ち、手塩にかけて「育てる」ということには変わりありません。