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アカウンタビリティ

「アカウンタビリティ(accountability)」とは、アカウント(account:会計)とレスポンシビリティ(responsibility:責任)を組み合わせた言葉です。「説明責任」または「説明義務」と訳され、自分が権限を持つ職務の現状を関係者に説明する責任や義務をいいます。

元々は経営学の用語で、会社法に基づく財務関連の書類作成を通じて、経営者が株主に対して経営・財務状況を説明する責任を指しました。近年では求められる情報開示の範囲が広がっており、企業経営におけるアカウンタビリティの視点がますます重視されるようになっています。

企業は法律で定められた開示資料以外にも、新商品発売の情報、決算説明会資料、中期経営計画資料など将来的な経営ビジョンが見える情報を「IR資料」として独自に発表しています。また、企業の社会的な活動をまとめた「CSR報告書」や「環境報告書」、「サステナビリティレポート」と呼ばれる資料を公表する企業も増えています。投資判断を行ううえでの参考となる情報を数多く開示し、株主や投資家から"選ばれる"企業になることが、アカウンタビリティに力を入れる目的のひとつです。

近年では、国内企業で相次ぐ不祥事の発覚を受け、ステークホルダーの利害を守るために、コーポレートガバナンス(企業統治)への取り組みを強化する企業が増えています。上場企業には東京証券取引所が定める「コーポレートガバナンス・コード」の遵守が求められますが、非上場企業も透明性の高い経営を行う仕組みが整っていると積極的に公表することで、企業価値の向上につながります。ここでもアカウンタビリティの視点が重要です。透明性の高い企業として社会的な信用が定着すると、優秀人材の採用が優位になる、従業員のモチベーションが上がり生産性が向上する、といったメリットが得られます。

企業の不祥事が発覚した時、その原因や今後予測される事態、対応策について詳しく説明し、関係各位の理解と納得を得ることも「説明責任を果たす」と言われます。隠ぺいを図りマスコミ対応が遅れたり、会見の場で不適切な発言をしてしまったりすると、インターネットやSNSを通じて拡散し、炎上するリスクが年々増しています。日頃から従業員のアカウンタビリティスキルやコンプライアンス意識を強化し、組織のリスク管理を適切に行うことが重要です。

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