■コールセンターのコンセプトをつくる
私たちが企業のコールセンターを立ち上げる際、「何故センターを作るか」、「現状の業務にどのような問題点があって、どう変えたいか」ということをヒアリングするところから始めます。何故なら、私たちは『コンセプトの具現化』がしっかりできるかどうかが、良いコールセンターができるかどうかの鍵であると考えるからです。それらによって、センターの方針や評価基準など重要な部分が決まります。
コンセプトが不明確な場合、そもそもセンター設立の準備が円滑に進みません。立地、採用、システムなどへの投資水準(もしくは投資の配分)が不明確になります。センターのポジショニングを決めることで、さまざまなことが決まっていき、センター立ち上げのスピードが加速されます。
■コールセンタ-コンセプト策定のステップ
1.コールセンターの類型
「コンセプト策定」ために最初にすべきことは、「何のためにセンターをつくるのか」を明らかにすることです。具体的には以下のような目的でコールセンターが開設されることが多くあります。
(1)代行受付
各部署にかかる電話を集約し、もっぱら電話で対応する事で、電話による業務の中断を減らし、トータルの人件費を削減する。
(2)営業推進
電話営業専門の部署をつくり、低コストで営業拡大をはかる。
(3)カスタマーサポート(CS向上・クレーム対応・相談窓口)
顧客の問い合わせやクレームに集中的に対応し、収集した顧客の声を商品開発に活用したり、各種質問に即応することで製品利用者満足度を上げる。
(4)電話による販売チャネル
電話で取引ができたり、商品の受発注を受けたりする部署として、コールセンターを開設する。
2.コンセプトづくりの実際
目的、業務特性、経営陣の意向などを総合して、コンセプトをつくります。その際、重要なのは、美しい言葉で飾ることではなく、オペレーターがコンセプトを聞いて、具体的に行動がイメージできることです。自分は何をしなければならないのかが明確になると、能動的に考え、動くセンターができ上がります。
また、社内に向けても、コールセンターの目指す方向性が明確になり、他部署からの支援も得られやすくなります。
■実際の例を見てみましょう
事例1「顧客が満足するするまで、とことん対応するセンター」
高額商品のコールセンターです。顧客の単価は数百万円です。通常接客には、1~2時間はかけて、専門担当者が応対しています。コールセンターにおいても、CSを最優先すべきとの方針を堅持。
・平均通話時間:10分~20分/件
・担当者:ベテラン社員、接客スキルの高い契約社員
・コンセプトに基づき、通話時間の縛りはなく、親身になって対応することが顧客から評価されている。
事例2「かゆいところに手が届くセンター」
電子機器のサポートセンターです。シニアの利用者が多く、電話での問い合わせが絶えません。問い合わせ内容について、かけた本人も理解していない事が多く、対応には忍耐とスキルが必要です。
・平均通話時間:5分~10分/件
・担当者:外部委託(20代若手中心)
・コンセプトに基づき、「顧客の要望を推測する」ことに努力が払われている。その結果、顧客満足度は他社と比較して、10ポイント以上高い評価。
■インソース「企業内研修」・「コンサルティング」
~みなさまのご要望に応じて研修を実施
~「良い」「売れる」電話応対のポイントを学び、それらを演習で実践してスキルを定着化
~「オペレーター」「SV」「中堅・管理職」「センター長」など、階層別に分かれた"30"を超える充実ラインナップ
~「コールの良し悪しの判断」や「オペレーターの指導」、「センターの目標を実現させる」スキルを身につける
~貴社でヒアリングをし、オーダーメイドの電話応対チェックシート作成。それに応じて、より現場に即したコールチェック、評価実施