■「ルールを決める」「手本となる」
新しい部署に移動した際には、その仕事内容や権限、責任の範囲、自分の業務目標などが具体的に、場合によっては上司との面談や引継ぎ者との連携で明確になります。
しかし、SVになった際に、「うまくやって」だけの指示しかこないケースもあります。そうした場合には、SV自身が、「うまくセンターを運営するため何をどこまでやるのか」をまず、リストアップすることをお勧めします。
簡単に言うと、「こんなセンターだったらいいな」ということと、「今の現実の姿」を具体的に挙げる作業です。
<こんなセンターだったらいいな>
・みんなが明るく、メリハリがある
・一人ひとりの顧客応対スキルが高く、それぞれが自信をもっている
・仕事以外のコミュニケーションを取る機会がある
<今の姿>
・なんとなく、だらっと仕事が始まる印象。区切りが弱い感じ。
・できる人はできるけど、スキル向上は個人の意識次第。
・みんな、それぞれのプライベートが忙しいらしい。
次は自分に置き換えてみて具体的に挙げてみましょう。例えばの話でいいますと「手本となる」、「ルールを守る」との2点に絞ってSVとして、どんな行動を「良し」とするかを定め、次に、SV自身が行動で模範を示すようにします。
・昼休み後はきちんと時間通りに戻ってパキッと仕事を始める
・コミュニケーター(以下「CM」と略)に求めるレベルの声の明るさやスピ
ードで自分自身も応対する
・CMに求めるレベルの敬語・言葉遣いを用いて自分自身も応対する
・仲良くなって気軽に話ができるように、有志だけでもなにか機会を創
出する(勉強会・委員会・イベント)
特別なこと、ではなくても基本的、当たり前、と感じながらもいつでも、完全にも「できる」と言えないものです。何か「やる」ことを決めて実行するのがポイントです。
■電話応対のスキルを身につけるのはSVの義務
社内の人事異動でSV職になった場合や、同じ業界でのキャリアはあってもコンタクトセンターでの業務は未経験という方が転職してSV職になった場合は、「業務知識は豊富だが顧客対応に不安」ということが想定されます。「計数管理が主担当だから」、「企画担当だから」と、考えるのではなく、CMに求める電話応対の基礎、応用のスキルはSVの「義務」だと思って習得しましょう。
どんなにすばらしいコンタクトセンターでもCMはある程度の比率で退職します。つまり裏返せば、採用→教育→実務(OJT指導)というステップは一定の頻度で実行されるということです。
また各CMの架電内容をスキルアップさせ、顧客満足やセンターのプロフィットを拡大するなどの目標は常に存在します。
そのため、CMの育成は常に大命題です。CMの育成のためには「研修」を充実させるだけでなく、センター内に居る時間のすべてを有効に活用しなくてはなりません。つまりSVとしての一挙手一投足がCMを育てることに直結しています。