■責任逃れをしてクレームになったケース
うちの関連会社A社がトラブルを起こしました。A社の取引先であるB社
の専務から、クレームがあったのですが、A社を担当している上司が
不在だったんです。私はこのように、B社の専務にお伝えしました。
「私は関与しておりませんのではっきりとは分かりかねますが、
A社のほうで問題があったようでして・・・」
すると、X専務は怒り出してしまい、「一体どういう管理をしているんだ!
もう取引を切る」と言われ、取引停止となってしまいました。
■組織の代表としての自覚が足りなかった
A社の担当である上司が不在にしていたので、いい加減なことは
いえないと思ったんですよね。
メールのやり取りが効率的だと思っていたこと、メールを送るのを失念
していたわけではないこと、などをお客様にわかっていただきたかった
のですね。
この場合、言えるのは、「顧客の気持ちを考えていなかった」
ということと、「組織の代表としての自覚が足りなかった」
ということです。A社の問題を自社の問題として対応しなかった
ためにクレームが激化してしまいました。
■「自分には関係ない」態度をとってしまいがち
自分の役割以外のことには手を出さず、責任を持たない傾向が
強い人ほど、「自分には関係ない」態度をとってしまいがちです。
自社が受注している案件で、「関係ない」、「わからない」ということが
あってはいけません。協力会社がどこであろうと、窓口が自分で
なかろうと、「自社案件としての責任」があることを自覚することが
必要です。
■まずは素直にお詫びすること
クレームの電話がかかってきた時点で、まずは、顧客の事情を
察して、「不便をかけていること」に対して迅速にお詫びしましょう。
そして、とにかく「責任逃れ」をしないようにしましょう。「ご迷惑を
おかけして、大変申し訳ございません。原因の追求は責任を
持ってやらせていただきます。」と、全力で謝罪することが重要です。
それから、可能であれば、「なぜこういうことになったか」、先方と
一緒に事実確認をします。
今回のケースにおける最も重大な問題は、顧客の心情を考慮に
入れず、自分の責任回避のみを考えて行動してしまったことです。
まず考慮すべきなのは、X専務の心情です。「自分には関係ない」こと
のアピールにばかり目がいき、「3ヶ月以上も納期が遅れたら、
X専務がどうなるか」ということに考えが及ばなかったのでしょう。
組織の代表として責任を持って対応してX専務に安心してもらうこと
が先決です。それから改めてX専務の心情を聴き、会社としての
解決策を探っていきましょう。X専務との関係を構築し、この案件が
結果としてうまくいかなくても、「よく対応してくれた」と、
今後の取引につなげられるようにしていくべきです。
ここでのポイントは、自社の案件として最後まで対応するということです。
厳しい対応をされたとしても、めげずにコミュニケーションを
とり続けましょう。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方