クレーム対応の勘所

 【基本手順】

クレーム対応の勘所

解決策を提示する(2)事実は小出しに伝える

基本手順 【4-2】

解決策を提示する(2)事実は小出しに伝える

たとえ相手が激しく怒っていようと、「長くは続かない」と考え、まずは
耐えます。そして、相手が冷静になったら、いよいよ「基本手順4:
解決策を提示する」に移り、こちらの言い分を伝えます。

ここでのポイントは2つ。「事実(こちらの言い分・解決策)は小出しに
伝える」ことと、「伝える順番を守る」ことです。今回は前者の「事実は
小出しに伝える」についてお話します。


■事実だからといって、長々と語らない

なぜ「事実は小出しに伝える」必要があるのか?ここでいう
「小出しに伝える」は、事実はできるだけ隠して、必要最低限しか
伝えない、という意味ではありません。「事実であるから、正しいこと
であるからといって、長々と語らない」という意味です。


■長々と語らない理由

事実であるからといって、長々と語らない理由、それは、相手が
やはり怒っているからです。こちらが親身に話を聴いた結果、
冷静になっているとはいうものの、相手は、もともとトラブルを被ったから
クレームを申し立てているわけで、こちらに対して腹を立てている
気持ちはもちろんあります。そういった相手に、いったん落ち着いた
からといって、一気にこちらの言い分を伝えることは好ましくありません。


■社会人として正しい対応を

担当者には、「正しいことを言って何が悪いのか」と開き直って
言い分をまくし立ててしまう方が多く、一義的にはそれは
間違っているとは言えません。しかし、たとえこちらの言っている内容が
正しくとも、相手が納得してくれるとは限りません。あくまで相手は「人」
なので、感情があります。それを無視して正論をまくし立てるのは、
社会人として未熟であるとしかいえません。

■ジャブを打つように小出しに事実を伝える

そうならないためにも、クレーム対応でこちらの言い分を
伝える際は、あたかも相手にジャブを打つように小出しに事実を伝え
ていきます。人は怒っているとき(激高しきっているときは別ですが)、
意外に人の話を聴いているものなので、こういった事実のジャブは
相手によく響きます。

☆次回に続く。


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