「『こんなときどうする?』:難しい状況下のコミュニケーション」
の新シリーズは、以下のような内容でお送りしていきます。
(1)エピソード
~その回毎のテーマに関連する、具体的なビジネスの現場での
悩みをご紹介する部分です。ノンフィクションです。
(2)解決策
~コミュニケーションに関する悩みを解決するための方法を具
体的に解説いたします。
(3)トレーニング方法
~さらに、テーマに沿ったコミュニケーションスキルをアップ
するために必要な事柄を解説します。
このような構成で、しばらく連載を続けますので、よろしく
お願いいたします!
※前回のバックナンバーはこちら
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■エピソード
お客さまに誤解を抱かれてしまってショックです。私はシステムパッ
ケージの販売をしています。あるお客さまがパッケージのカスタマイ
ズをご検討中です。そこで、設計の一部変更をご提案したところ、
「我々の業界のことをわかっていないのに、余計なことを言うんじゃ
ないよ」と言われてしまいました。お客さまにとってコスト・利便性の
両面でメリットがあると判断してお勧めしたのに、不興をかってしま
ったようです。
(配慮が裏目に出てしまったセールスマン)
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■解決策
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│1.お互いの認識をすりあわせる
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一つの事象に対しても、人により認識が違うのが普通です。その
ため、自分の考えや思いを誤解なく伝えるためには、お互いが正
しいと考えている事実を確認し、共通の理解の土台を作る必要が
あります。
たとえば、ある業界を対象にした法人営業の場合、営業担当者は
顧客の業界について、外部から客観的に見て知っている・勉強して
いると思っていますが、お客さまにしてみれば、内部で働いてみない
と分からないという思いが強くあります。
また、営業担当者がコスト面でメリットがあると思った場合でも、お
客さまは従来通りの使い方を踏襲することに意味があると判断して
いる可能性があります。
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このことを冒頭のエピソードにのっとって具体的に説明しましょう。
お客さまは銀行のシステム担当者、セールスマンはITシステムサ
ービス会社の営業担当です。営業担当者は、誰にでもわかりや
すい、マウスを使うシステムを提案しました。しかし、銀行の内部
業務でパソコンを使用する場合、実はほとんどマウスは使いませ
ん。使用者は熟練した者ばかり、という条件下であれば、キー入
力のほうがずっと速いからです。
ところが、そうした内情を知らない営業担当者は、操作の簡便性
のほうが大切だと判断してしまいました。つまりここでの、お客さま
の「余計なことを言うんじゃないよ」という言葉には、(キー操作に
熟練した行員だけが操作するシステムだから、わかりやすさは重
視しない。速さの点でメリットがあるキーボードを昔から一貫して
使ってきたのだ)という言外の思いがあったわけです。
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こうした行き違いは、海外のシステムやサービスを日本に導入す
る場合や、IT業界の営業マンが他業界にサービスを販売しようと
する場合によく起こります。
ですから、事前にお互いの判断のポイントをすり合わせておくこと
が重要なのです。
(つづく)
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方