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■「貴社」と「御社」って、どう使いわけるの?
お客様との会話や、社外向けの文書作成に登場する「貴社」と「御社」。
どちらも他社を呼ぶときに使っているけど、どう使い分けをすればいい
のだろう?
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■誰が正解?
(1)里中さん説:〈付き合いの度合いによるんじゃない?〉
初めてやりとりをする、もしくは付き合いの浅い会社を「貴社」、
長年お付きあいがあって、「貴社」では白々しい感じがする。
お客様の会社は「御社」って呼んでいるなぁ。
(2)黒岩さん説:〈同じ意味だから、使い分ける必要なんでないのよ〉
そもそも、使い分ける、という発想自体が無意味よ。
どちらも同じ意味なんだから、好きなほうを使ったらいいわ。
(3)大前さん説:〈口語と文語で使い分けるんじゃない?〉
文書では「貴社」、会話中では「御社」っていうと聞きましたけど・・・。
(4)東海林さん説:〈会社の力関係次第でしょう〉
自社の方が力関係で上にある場合は先方を「貴社」、先方の会社が
上にある場合は「御社」って使い分けてましたけど。
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■Answer:「貴社」は文語、「御社」は口語が無難です
「貴社」と「御社」は、どちらも他社に対する敬称で、意味の上では
違いがありません。しかし、実際のビジネスシーンでは、状況に応
じて使い分けが必要です。ご存知でしたか?正解は(3)です。
一般的には、書き言葉では「貴社」、話し言葉では「御社」を使うと
されています。
通説では、先方への尊敬の意を示す「貴」の文字を冠した「貴社」
の表現が先に成立したが、日本語には同音異義語が多く、「汽車、
帰社、記者」などとの混同を防ぐため、会話表現として「御社」が
普及したと説明されています。
ちなみに現在は、先方の会社と関係ができているなど、文書に
「御社」と記載して可とする考え方もあるようです。この場合、文章内
では統一するようにしましょう。
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│column:「"貴様"って、昔は上司に言ってたの?!」
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「貴様」。現在では、相手を見下すような場面、もしくは自分と同等以下
の相手に対して用いられる言葉です。
しかし、この"貴様"という言葉、登場した当初は「貴」の字義通り、目
上の人に対して尊敬の念を込めて使われていたってご存知ですか。
「貴様」という語は、室町時代末期の天文8年(1539)の大徳寺文書
に(大徳寺は一休さんもいたことがある臨済宗の偉いお寺)、「貴様より
御茶一器拝領」(目上の人より茶器を一ついただいた)とあるのが初見
だと思われます。
このように、最初は主に、武士などの支配階級が書簡の中で使ってい
たようですが、近世後期に入って、一般庶民が口語で使うようになった
中で、本来の尊敬の念は薄れ、同等以下の者に対して使われるように
なったようです。
今は、「貴様、ちょっと顔かせや」などと言われたら、間違いなく喧嘩を
売られている感じですが、かつて「貴様」と呼びかけることは、礼儀にの
っとったことだったのですね!
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次回も、ビジネスの場で「今さら聞けない」ギモンをテーマにお送りします。お楽しみに!
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方