1.新人研修テキストの重要性
新人研修の課題は、「自立していない若者」をどう教育するかということに尽きます。そのためには、以前にも増して、テキストの重要性は高まっています。
昨今の新人は、「勉強熱心でまじめであるが、「知恵」に欠ける」と言えるのではないでしょうか。
以前は、「業務を見せ」、「やらせてみて」、「理解を確認する」というOJTを教育の基本に据えていましたが、最近の傾向として、まず、OFF―JT(OFF the Job Training、いわゆる研修)を先行させ、その後でOJTという流れを取らないと、ついてこれない若者が増えています。
あくまで私の経験則ですが、近年の若年層の傾向として「机上で教えられた」という実感がないと、「聞いていない」と感じる傾向が強くあります。
まず、テキストで体系的な知識の整理を行い、その後でOJTにより、各人に合わせた指導を徹底することが求められます。よって、テキストの重要性は非常に高まっているのです。
2.テキストには、まず、組織の「考え方の軸」を明確に示すこと
「考え方の軸」とは、会社の理念や企業風土など「組織の考え方の根底」にあるものです。新人研修の本質は、この「考え方の軸」、いわば企業のDNAを新人の頭の中に摺りこみ、行動指針とすることです。
この考え方の軸が出来れば、仕事の現場で判断に迷ったり、間違った判断をしてしまうことがなくなります。
その結果、部下や後輩が組織の中で自立して動くことできるようになり、仕事の成果や働く意欲の向上につながります。
この「考え方の軸」をかんたんに記載し、創業者など先人の行動を例示しながら、書いていきます。
3.業務を教える際には、全体像を示し、流れを理解させる
業務を教える場合には、全体像を俯瞰させて教える様な「業務の流れ」図を作ります。時系列で仕事の流れをまとめた図です。なるべく全体を俯瞰できる内容のもので、紙一枚にまとまったものがよいと思います。
昨今の若者は、驚くほど「類推力」が乏しいと私は感じています。ですから、常に細部、細部を知りたがり、それを積み上げて、「全体像」を作り上げようとしている感があります。
それにつきあっていると、正しい仕事が伝わりません。よって、まず、おおざっぱでも良いので、全体像を流れ図などで示します。
4.流れを具体的に理解させる
各ステップ毎に「3つ」程度動きを記し、その注意ポイントを記入します。「この1枚を見れば、この仕事が分かる」と感じるものを作ります。こうすることで、細部を超えて、仕事が分かるので、大きな欠落がなくなります。
5.細部は細部で詳しく~新人の常識を信じない~大切な事がばっくり抜ける事もある
細部各論については、我々世代の創造を超える程、興味を持ち、熱心に勉強します。(その姿勢は偉いなとも思いますが・・・)
ただ、あくまで興味を持った事が中心になる傾向があり、肝心の点はばっくり欠落する傾向が強いものです。
新人の「常識」を信用してはいけません。まず、お互いに「常識が違う」と考え、「あたりまえ」の事を細かく書く必要があります。すべて疑ってかかる事が大切です。
その際、テキストの分量は基本的には1時間で4ページ進む割合で、作成しています。(グループワークをふんだんに取り入れることを前提とした量ですが)
それ以上の量になると、テキストを読むだけの研修になってしまいますし、それ以下だと、物足りなくなります。
4ページぐらいが、受講者が退屈せず、かといって忙しすぎずというちょうど良い分量となります。
「用語集」も是非用意したいところです。先ほども申し上げた様にお互いの常識が異なります。特に言葉の解釈が違えば、トラブルも多く発生する事が考えられます。
自分達が仕事で良く使う単語については、新入社員が困らないように、「用語集」を補助教材として作るのも良いでしょう。
6.ペーパーテストは「知識徹底の鍵」
そこでお勧めするのが「ペーパーテスト」です。最低限知って欲しい常識については、ペーパーテストをOJTとともに頻繁に実施すべきです。
「テスト」と言えば、必ず勉強するのが今の新人の傾向です。(逆にチェックがないとまったく「抜ける」と考えても良いです。)
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